【保存版】離職票を転職先に求められたら？提出義務と対応方法を解説

「転職先から離職票の提出を求められたんだけど…これ、提出しなきゃダメなの？」
「そもそも離職票って何？失業保険と関係あるの？」
「提出しないと何か問題になるのかな…」

新しい職場への入社手続きが進む中で、突然「離職票を提出してください」という連絡をもらってしまった。そんな主婦の方も少なくないのでは。

実は、離職票を転職先に提出する法的義務はありません。

ここが多くの人が誤解している点。転職先から求められても、対応方法は複数あり、必ずしも提出が必須というわけではないんです。

離職票を転職先に求められる理由。法的義務はない

まず大事なポイントから始めましょう。

離職票の本来の目的は失業保険のため

離職票は、ハローワークに提出して失業保険（失業手当）を受け取るための書類なんです。

前の会社を辞めた後、新しい仕事がすぐに見つかる人もいれば、失業期間がある人もいますよね。失業期間中の生活を支援するための失業保険。その申請手続きに必要な書類が離職票なんです。

つまり、離職票は「前の会社からの重要な書類」であり、「ハローワークとのやり取り用」という位置付けなわけです。

転職先に提出する法的義務はない理由

日本の労働法では、転職先の企業が離職票の提出を要求する法的根拠がないんです。

むしろ、転職先の企業が必要とするのは「雇用保険被保険者番号」という個人番号。これは離職票に記載されていますが、離職票そのものを提出する必要があるわけではないんですよね。

その番号だけを伝えても問題ないわけです。

それでも転職先が求める背景にあるもの

法的義務がないのに、多くの企業が「離職票を提出してください」と言うのはなぜでしょうか。

実は、企業側は「確実な情報」を求めているんです。新入社員の前職での雇用保険加入状況や退職理由などを、公式な書類で確認したいという背景があります。

また、中途採用者の入社手続きをスムーズに進める際に、離職票があると確認できることが多いんですね。

転職先が離職票を求める具体的な理由

では、転職先が離職票を求める実際の理由を見ていきましょう。

雇用保険被保険者番号の確認

これが最も一般的な理由です。

雇用保険被保険者番号は、あなたが前の会社で雇用保険に加入していたことを証明する番号。この番号があれば、新しい会社での雇用保険加入手続きが円滑に進むんです。

離職票に記載されているので、企業は「この人の被保険者番号を確認したい」という理由で提出を求めているわけですね。

退職理由や雇用期間の確認

離職票には「退職理由」や「雇用期間」などの情報が記載されています。

企業側が提供してくれた職務経歴書やその他の応募書類が正確かどうかを、公式書類（離職票）で確認したいというわけです。

特に大企業やコンプライアンスが厳しい企業では、この確認作業が徹底されています。

中途採用者の入社手続き確認

中途採用の場合、企業の人事部門は多くの書類確認が必要になります。

その一環として「前職からの確認書類」として離職票を求めることがあるんですね。実は、これは企業の「念のため」という意識に近いもの。絶対に必須ではないケースが多いんです。

転職先が求める理由	重要度	他の方法で対応できるか
雇用保険被保険者番号の確認	★★★	番号だけなら別途提供可能
退職理由・雇用期間の確認	★★	職務経歴書や退職証明書で代用可能
入社手続きの一般的な確認	★	ほぼ必須ではない

離職票を転職先に求められた時の対応方法

では、実際に転職先から離職票の提出を求められた場合、どう対応するのが正解なのでしょうか。

まず確認すること。離職票は手元にあるか

最初にすることは、前の会社から離職票がちゃんと届いているかの確認です。

通常、退職してから2週間から3週間程度で、前の会社から離職票が郵送されてくるはずなんです。ただ、ここで問題が生じることもあります。

対応方法1：離職票を提出する（最も無難）

最も無難で、会社との関係をスムーズに進める方法は、離職票を提出することです。

理由は単純。転職先が要求しているなら、対応する方がトラブルの種をなくせるんですね。

ただし、重要な注意点があります。離職票は失業保険の手続きに必要な書類でもあるので、提出前に必ずコピーを取っておきましょう。原本を企業に預けると、後で失業保険の手続きが必要になったときに困ることになるんです。

対応方法2：被保険者番号だけを伝える

企業が本当に必要としているのは、多くの場合「雇用保険被保険者番号」だけなんです。

この場合、丁寧に企業に説明して「被保険者番号だけならお伝えしますが」と提案する方法があります。

例えば：「離職票に記載されている雇用保険被保険者番号は○○○ですが、転職先での雇用保険加入手続きにはこの番号があれば足りると理解しています。提出の代わりに、この番号でご対応いただくことは可能でしょうか」

このように丁寧に説明すると、大抵の企業は「わかりました」と対応してくれるんですね。実は企業側も「原本が必要」というより「確認できる情報があればいい」という感覚なことが多いんです。

対応方法3：離職票の代わりに退職証明書を提出

もう一つの方法が、「退職証明書」という別の書類を活用することです。

退職証明書は、前の会社に依頼すると発行してくれる書類。離職票よりも簡単に入手でき、退職事実を証明するための書類なんです。

「離職票の入手にはまだ時間がかかるため、代わりに退職証明書でいかがでしょうか」と企業に打診すれば、対応してくれることが多いんですね。

対応方法	メリット	デメリット	企業の対応
離職票を提出	企業の要求に直接応える	原本管理の手間、コピー取得が必要	最も円滑
被保険者番号だけ伝える	原本の管理が不要	企業が受け入れるか不確定	企業による判断
退職証明書を提出	入手が簡単、代替手段として認識されやすい	企業の要求と異なる書類提出	比較的円滑

離職票が転職先に求められる場合の注意点

ここからは、実際に提出する際の注意点をお伝えしましょう。

離職票は原本ではなくコピーで対応する

これが最重要ポイント。企業に提出する際は、必ず原本を保手に残してコピーを渡すことなんです。

理由は簡単。離職票は失業保険を受け取る際に、ハローワークに提出する公式な書類だからなんですね。もし企業が原本を返さなかったり、紛失してしまったりしたら、大変なことになります。

企業側も「コピーで構いません」と通常は了承してくれるはずです。

転職後も離職票は保管しておく。失業保険の可能性に備えて

新しい職場で働き始めたら、わざわざ離職票を保管する必要ないと思う人も多いでしょう。でも実は、転職後も一定期間は保管しておくことをお勧めします。

なぜか。転職後に予期しない事情で失業することになるかもしれないからです。例えば、新しい職場で早期退職することになった場合。その時点で「あの時の離職票を持っていれば…」と後悔することになりかねないんですね。

失業保険の申請は「退職後2年以内」という期限がある制度。その期限を意識すると、最低でも1～2年は離職票を手元に置いておく価値があるんです。

企業が「返却できない」と言ったら

まれなケースですが、企業が「原本を保管する必要がある」と言ってくることもあります。

その場合は、まず「返却時期を何ヶ月後に設定できるか」を相談することをお勧めします。例えば「3ヶ月後に返却してもらえますか」という具合にです。

または、企業に「万が一返却できない事態が生じた場合は、ハローワークに再発行依頼をします」と伝えておくのも手。法的には、企業がずっと保管する義務はないので、この説明で大抵はコピー対応に変わります。

離職票を転職先に求められた場合の対応と判断。完全ガイド

ここまでの内容をまとめると、あなたが取るべき対応はおのずと見えてきます。

離職票は失業保険のための書類であり、転職先に提出する法的義務はない。でも、企業が要求する背景には理由があり、対応方法は複数ある。そして、提出する際は慎重に、コピーを使い、原本は手元に残す。

これが、離職票と転職先の関係における正しい理解なんです。

新しい職場での人間関係をスムーズに始めるためにも、企業との相談は「丁寧に」「確認しながら」進めることが大切です。

離職票は、あなたの大切な書類。それを理解した上で、柔軟に対応していくのが賢い選択なんです。