協会けんぽの出産手当金について、支給条件・金額・申請方法をわかりやすく解説。もらえるか不安な方も、計算例や手続きの流れを見れば安心です。産休中のお金の心配を解消しましょう。
「出産手当金って、私ももらえるのかな…?」
「いくらもらえて、いつ振り込まれるの?」
「申請って難しそう…」
協会けんぽに加入している方なら、こんな不安を感じていませんか?

大丈夫です。協会けんぽの出産手当金は、条件を満たせばパートでももらえます。
制度の仕組みは複雑に見えますが、ポイントを押さえれば安心して申請できるんです。
この記事では、協会けんぽの出産手当金について、支給条件・金額・申請方法を初心者にもわかりやすく解説します。
「私はもらえる?」という疑問から、具体的な手続きまで、すべてお答えします!
協会けんぽの出産手当金とは。制度の基本を知ろう
出産手当金は産休中の生活を支える制度

協会けんぽの出産手当金は、産休中に給料が出ない期間の生活を支えるための給付金。
会社の健康保険に加入していれば、正社員だけでなくパートやアルバイトでも対象になります。
出産のために仕事を休む期間は、多くの場合給料が支払われません。
その間の生活費をカバーするために、健康保険から手当金が支給される仕組みなんです。

パートの私でももらえるの?

もちろんだにゃ!会社の健康保険に入っていれば、雇用形態は関係ないにゃ!
協会けんぽと健康保険組合の違い

会社の健康保険には、大きく分けて「協会けんぽ」と「健康保険組合」の2種類があります。
中小企業の多くは協会けんぽ、大企業は独自の健康保険組合を持っていることが多いです。
どちらも出産手当金の基本的な仕組みは同じですが、申請先や処理スピードに違いがあります。
自分がどちらに加入しているかは、健康保険証を見れば分かります。
協会けんぽと健康保険組合の見分け方
・協会けんぽ:保険証に「全国健康保険協会」と記載
・健康保険組合:保険証に「◯◯健康保険組合」と記載
・どちらも出産手当金の基本ルールは同じ
出産育児一時金との違いを理解する

よく混同されるのが「出産育児一時金」との違い。
出産育児一時金は出産費用をカバーするための一時金(42万円)で、こちらは専業主婦でももらえます。
一方、出産手当金は産休中の生活費をカバーする給付金で、働いている人だけが対象。
両方とも別々にもらえるので、該当する方は両方申請しましょう。
協会けんぽの出産手当金。もらえる条件は?
協会けんぽに加入していること

出産手当金をもらうための第一条件は、自分自身が協会けんぽの被保険者であること。
夫の扶養に入っている専業主婦や、国民健康保険に加入している自営業の方は対象外です。
あくまで「自分が会社の健康保険に入っていて、保険料を払っている」ことが条件。
パートやアルバイトでも、勤務先の健康保険に加入していればOKです。

週3日のパートだけど、会社の保険証持ってるから大丈夫かしら?

保険証が会社から出ているなら対象だにゃ!勤務日数は関係ないにゃ!
産休中に給料が出ていないこと

次の条件は、産休中に会社から給料が支払われていないこと。
もし産休中も給料が出ている場合、その金額によって対応が変わります。
給料が出産手当金の日額より少なければ、差額分が支給されます。
逆に、給料が出産手当金より多く支払われている場合は、手当金は支給されません。
妊娠4ヶ月以降の出産であること

出産手当金の対象となるのは、妊娠4ヶ月(85日)以降の出産。
ここでいう「出産」には、正常分娩だけでなく、早産・流産・死産・人工妊娠中絶も含まれます。
つらい結果であっても、条件を満たしていれば出産手当金は受け取れるので、忘れずに申請してください。
協会けんぽの出産手当金はいくらもらえる?
支給額の計算方法を知ろう

出産手当金の金額は、過去12ヶ月の標準報酬月額の平均をもとに計算されます。
計算式は以下の通り。
【支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額平均 ÷ 30日 × 2/3】× 支給日数
つまり、普段の給料の約3分の2が、休んだ日数分だけ支給されるイメージです。

標準報酬月額って何?給料とは違うの?

給料を一定の等級に当てはめた金額のことだにゃ。給料明細の「標準報酬月額」欄を見れば分かるにゃ!
具体的な金額の計算例

実際にいくらもらえるか、例を見てみましょう。
【例1】標準報酬月額25万円の場合
25万円 ÷ 30日 × 2/3 = 約5,555円/日
98日分 = 約54万4,000円
【例2】標準報酬月額20万円の場合
20万円 ÷ 30日 × 2/3 = 約4,444円/日
98日分 = 約43万5,000円
このように、普段の給料によって支給額が変わります。
標準報酬月額別の支給額目安
・月額20万円:約43万円
・月額25万円:約54万円
・月額30万円:約65万円
※98日分の場合
支給日数は産前42日+産後56日

出産手当金の支給対象期間は、出産予定日の42日前から出産後56日までの最大98日間。
双子以上の多胎妊娠の場合は、産前が98日に延長されます。
出産予定日より遅れて出産した場合、その遅れた日数分も産前期間として加算されるんです。
逆に予定日より早く生まれた場合は、実際に休んだ日数分が支給対象になります。
協会けんぽの出産手当金。申請方法と流れ
申請書を入手して記入する

出産手当金の申請には、「健康保険出産手当金支給申請書」が必要。
この申請書は、勤務先の人事・総務部でもらうか、協会けんぽの公式サイトからダウンロードできます。
申請書には自分で記入する欄、医師に記入してもらう欄、勤務先に記入してもらう欄があります。
まずは自分の情報(氏名・住所・振込口座など)を記入しましょう。

申請書って難しそう…間違えたらどうしよう

大丈夫だにゃ!申請書には記入例もついてるから、それを見ながら書けば安心だにゃ!
医師に証明欄を記入してもらう

次に、出産した病院で医師または助産師に証明欄を記入してもらいます。
これは出産後でないと書いてもらえないので、退院前に病院の窓口で依頼しましょう。
証明書の発行には数日かかることもあるので、入院中に早めにお願いしておくとスムーズです。
病院によっては文書料(数千円程度)がかかる場合もあります。
勤務先経由で協会けんぽに提出する

医師の証明をもらったら、申請書を勤務先に提出します。
勤務先が労務に関する証明欄を記入し、協会けんぽに申請書を送ってくれます。
申請は産前分と産後分をまとめて行う方法と、分けて行う方法があります。
早めに一部を受け取りたい場合は、産前分だけ先に申請することも可能です。
ただし、会社に何度も手続きを依頼することになるので、事前に相談しておきましょう。
申請のタイミング
・まとめて申請:産後56日経過後に一括申請(手続き1回で済む)
・分けて申請:産前分→産後分と2回に分けて申請(早く一部を受け取れる)
協会けんぽの出産手当金はいつ振り込まれる?
申請から1〜2ヶ月後が目安

協会けんぽの出産手当金は、申請から振込まで1〜2ヶ月程度かかります。
書類に不備がなければ比較的スムーズですが、記入漏れや証明書の不備があると差し戻しになり、さらに時間がかかることも。
出産日から数えると、実際にお金が入るまで2〜3ヶ月かかるのが一般的です。
その間の生活費は事前に準備しておくか、自治体の支援制度を活用しましょう。

2ヶ月も待つの?その間の生活費が心配…

心配な気持ち、わかるにゃ。そんなときに使える制度もあるから、後で紹介するにゃ
振込が遅いときは問い合わせを

申請から2ヶ月以上経っても振り込まれない場合は、勤務先または協会けんぽに問い合わせましょう。
まずは勤務先の人事・総務部に、協会けんぽへの書類提出状況を確認してください。
会社側で手続きが止まっているケースもあるので、丁寧に確認を。
書類がすでに提出されている場合は、協会けんぽに直接問い合わせて審査状況を確認できます。
支給が遅れても焦らず対処する

出産手当金の支給が遅れても、必ず振り込まれるので焦らないでください。
ただし、その間の生活費に困る場合は、自治体の生活福祉資金貸付制度や緊急小口資金の利用を検討しましょう。
また、児童手当の申請も忘れずに。出生後15日以内に申請すれば、生まれた月から支給されます。
使える制度はすべて活用して、産後の生活を乗り切りましょう。
協会けんぽの出産手当金。よくある疑問Q&A
退職後でも出産手当金はもらえる?

退職後でも、一定の条件を満たせば出産手当金を受け取れます。
条件は以下の3つ。
①退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していた
②退職日に出産手当金を受けているか、受ける条件を満たしていた
③退職日に出勤していないこと
特に③が重要で、退職日に出勤してしまうと、その後の出産手当金が受け取れなくなるので注意してください。
育児休業給付金と両方もらえる?

出産手当金と育児休業給付金は、別々の制度なので両方もらえます。
出産手当金は産休中(産前42日+産後56日)に支給され、育児休業給付金は育休中(産後57日目以降)に支給されます。
つまり、産休→育休と続けて取得すれば、途切れることなく手当金を受け取れるんです。
ただし、それぞれ別々に申請が必要なので、忘れずに手続きしましょう。
産休と育休の給付金の流れ
・産前42日〜産後56日:出産手当金(健康保険)
・産後57日目〜:育児休業給付金(雇用保険)
・両方受け取れるが申請は別々に必要
双子の場合は金額が増える?

双子以上の多胎妊娠の場合、産前期間が98日に延長されます。
産後期間は通常と同じ56日なので、合計で最大154日分の出産手当金が受け取れることに。
1日あたりの金額は変わりませんが、支給日数が増える分、総額は大きくなります。
標準報酬月額25万円の場合、約85万円(154日分)になる計算です。

双子だと産前期間が長くなるのね!助かるわ!

その通りだにゃ!多胎妊娠は体への負担も大きいから、早めに休めるようになってるんだにゃ!
協会けんぽの出産手当金。まとめ
協会けんぽの出産手当金は、産休中の生活を支える大切な制度です。
パートやアルバイトでも、会社の健康保険に加入していれば受け取れます。

申請には少し時間がかかりますが、一つずつ手順を踏めば必ず受け取れます。
産休前から申請書を準備しておくと、手続きがスムーズです。
不明な点があれば、勤務先の人事・総務部や協会けんぽに遠慮なく問い合わせてください。
出産手当金をしっかり受け取って、安心して産休・育休を過ごしましょう。

出産手当金のこと、よくわかったわ!安心して出産に備えられそう!

その調子だにゃ!わからないことがあったら、いつでも聞いてほしいにゃ!
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