「ダブルワークを始めたいけど、社会保険ってどうなるの?」
「2つの職場で働いたら、両方で社会保険に入らないといけないの?」
「片方だけ加入できるなら、どっちを選べばいいの?」
パートを掛け持ちしようと考えている主婦の皆さんなら、一度は感じたことがある疑問ですよね。

実は、ダブルワークの社会保険は「片方だけ」加入できる場合と「両方」加入しなければならない場合があります。
どちらに該当するかは、それぞれの勤務先での労働条件によって決まるんです。
この記事では、ダブルワークにおける社会保険の加入ルールを徹底解説!
片方だけ加入できるケース、両方加入が必要なケース、それぞれのメリット・デメリット、さらに手続き方法まで主婦目線でわかりやすくお伝えします。
ダブルワークの社会保険は片方だけでいい場合がある
まず結論から言うと、ダブルワークで社会保険に加入するのは「片方だけ」で大丈夫な場合があります。
ただし、これには明確な条件があるんです。
片方だけ加入できるのはどんなとき?

社会保険に片方だけ加入すればいいのは、片方の勤務先のみが社会保険の加入条件を満たしている場合です。
もう少し具体的に説明しますね。
たとえば、A社では週25時間働いていて月収10万円、B社では週10時間で月収4万円という場合。
この場合、A社は社会保険の加入条件を満たしていますが、B社は満たしていません。
結果として、A社でのみ社会保険に加入すればOKなんです。
社会保険の加入条件を正確に知ろう

では、社会保険の加入条件とは具体的にどういうものでしょうか。
以下のすべての条件を満たすと、その勤務先で社会保険に加入しなければなりません。
社会保険加入の5つの条件(2024年10月以降)
✓ 週の所定労働時間が20時間以上
✓ 月額賃金が88,000円以上(残業代・賞与除く)
✓ 2カ月を超える雇用見込みがある
✓ 学生でない
✓ 勤務先の従業員数が51人以上
これらの条件を片方の勤務先だけが満たしていれば、その勤務先でのみ社会保険に加入します。
逆に言えば、両方の勤務先が条件を満たしている場合は、両方で加入しなければならないんです。

え?月88,000円以上って、けっこうハードル低いのね!

そうなんだにゃ!時給1,100円で週20時間働けば、簡単に超えちゃうにゃ!
従業員数の条件に注意!2024年10月から変更あり

ここで注意したいのが、従業員数の条件です。
2024年10月から、社会保険の適用範囲が拡大され、従業員数51人以上の企業で働くパート・アルバイトも対象になりました。
それ以前は101人以上だったので、かなり多くの人が新たに対象になったんです。
ダブルワークで両方とも社会保険に加入するケース
次に、両方の勤務先で社会保険に加入しなければならないケースについて見ていきましょう。
これは意外と知らない人が多いポイントなんです。
両方加入が必要なのはこんなとき

両方の勤務先で社会保険に加入が必要なのは、それぞれの勤務先で加入条件をすべて満たしている場合です。
具体例で見てみましょう。
A社:週22時間勤務、月収9万円、従業員数80人
B社:週20時間勤務、月収8.8万円、従業員数60人
この場合、両方とも社会保険の加入条件を満たしているため、A社・B社それぞれで社会保険に加入しなければなりません。
二重加入すると保険料はどうなる?

両方で社会保険に加入すると、当然ながら両方の勤務先で保険料が天引きされます。
それぞれの給与額に応じた保険料を、それぞれの会社から支払うことになるんです。
たとえば月収10万円のA社と月収9万円のB社で働いている場合、合計19万円の収入に対して、それぞれの給与から保険料が引かれます。
健康保険料と厚生年金保険料を合わせると、手取りが2〜3万円ほど減ることも珍しくありません。

えぇー!両方引かれちゃうの?それって損じゃない?

今は負担だけど、将来もらえる年金額が増えるからメリットもあるんだにゃ。後で詳しく説明するにゃ!
健康保険証はどうなる?

両方の勤務先で社会保険に加入した場合、気になるのが健康保険証ですよね。
実は、保険証は1枚だけしか持てません。
両方の会社で健康保険に加入していても、自分でどちらの保険証を使うか選ぶことになります。
通常は、収入が多い方の勤務先の保険証をメインで使うことが一般的です。
もう一方の保険証は「資格情報のみ登録」という形になり、実際の保険証は発行されないケースが多いんです。
ダブルワークで社会保険に加入するメリット
「社会保険に入ると保険料が引かれて手取りが減る…」と思うと、デメリットばかり目につきますよね。
でも実は、社会保険加入には大きなメリットもあるんです。
将来もらえる年金額が増える

社会保険に加入する最大のメリットは、将来もらえる年金額が増えることです。
国民年金だけだと年間約78万円ですが、厚生年金に加入していればその分が上乗せされます。
たとえば、月収10万円で10年間厚生年金に加入した場合、将来もらえる年金額は年間約10万円増える計算になるんです。
特に、ダブルワークで両方加入している場合は、2つの勤務先分の年金が積み上がるので、将来の年金額がかなり増えます。
健康保険の保障が充実する

社会保険に加入すると、国民健康保険よりも保障が手厚くなります。
特に大きいのが、傷病手当金と出産手当金です。
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなったときに、給料の約3分の2が最長1年6カ月支給される制度。
出産手当金は、出産前後に仕事を休んだときに給料の約3分の2がもらえる制度です。
国民健康保険にはこれらの制度がないので、万が一のときの安心感が全然違うんです。

えっ!病気で働けなくなってもお金がもらえるの?それは安心ね!

そうなんだにゃ!保険料負担はあるけど、それ以上の価値があるんだにゃ!
扶養から外れても世帯全体で得する場合も

「社会保険に入ると扶養から外れちゃうから損」と思っている人も多いですよね。
確かに、社会保険加入で配偶者の扶養から外れると、自分で保険料を払わなければなりません。
でも、年収150万円以上稼ぐなら、扶養から外れても世帯全体で見れば損にならないケースが多いんです。
なぜなら、保険料の半分は会社が負担してくれるし、将来の年金額も増えるから。
目先の手取りだけでなく、長期的な視点で考えることが大切です。
ダブルワークで社会保険に加入するデメリット
メリットがある一方で、デメリットもしっかり理解しておく必要があります。
特に、手取り収入への影響は大きいポイントです。
手取り収入が減る

最も大きなデメリットは、やはり社会保険料の負担で手取りが減ることです。
健康保険料と厚生年金保険料を合わせると、給料の約15%が天引きされます。
月収10万円なら約1.5万円、月収15万円なら約2.2万円が引かれる計算になります。
特に、両方の勤務先で社会保険に加入している場合は、それぞれから保険料が引かれるので、合計の負担はさらに大きくなるんです。
扶養から外れることによる影響

社会保険に加入すると、配偶者の社会保険の扶養から外れます。
扶養に入っていたときは保険料がゼロでしたが、外れると自分で保険料を払わなければなりません。
また、配偶者が家族手当をもらっている場合、扶養から外れることで手当がなくなる可能性もあります。
会社によっては月1〜2万円の家族手当が支給されているので、これがなくなると世帯収入への影響は小さくありません。
手続きが煩雑になる

ダブルワークで両方加入する場合、手続きが煩雑になることもデメリットの一つです。
それぞれの勤務先で加入手続きをしなければならないし、年末調整も複雑になります。
また、退職や転職の際にも、両方の会社で手続きが必要になるので、事務的な負担が増えるんです。

うぅ…やっぱり手取りが減るのは痛いわね…

今は負担だけど、将来への投資と考えるんだにゃ。バランスを見て判断するのが大事にゃ!
ダブルワークで社会保険に加入しない方法はある?
「できれば社会保険に入らずに働きたい」と考える主婦の方も多いですよね。
では、社会保険に入らずにダブルワークする方法はあるのでしょうか。
加入条件を満たさないように働く

社会保険に入りたくない場合、加入条件を満たさないように働くのが確実な方法です。
具体的には、以下のいずれかの条件を満たさないようにします。
社会保険に入らない働き方
✓ 週の労働時間を20時間未満に抑える
✓ 月収を88,000円未満にする
✓ 従業員数50人以下の会社で働く
✓ 2カ月以内の短期契約にする
たとえば、A社で週18時間、B社で週15時間働けば、どちらも週20時間未満なので社会保険に入らずに済みます。
ただし、わざと条件を満たさないようにすると、将来的に損をする可能性もあることは忘れないでください。
小規模な会社を選ぶ

もう一つの方法は、従業員数50人以下の会社を選ぶことです。
従業員数50人以下の会社では、短時間労働者の社会保険適用がまだ義務化されていません。
そのため、週20時間以上働いていても、社会保険に入らなくて済むケースがあるんです。
ただし、フルタイムに近い働き方(週30時間以上)をする場合は、会社の規模に関係なく社会保険に入る必要があるので注意してください。
本当に社会保険に入らない方が得?

ここで冷静に考えてほしいのが、「本当に社会保険に入らない方が得なのか?」という点です。
確かに目先の手取りは増えますが、将来もらえる年金は確実に減ります。
また、病気やケガで働けなくなったときの保障もありません。
長期的な視点で見れば、社会保険に入った方が安心というケースも多いんです。
「今の手取り」だけでなく、「将来の安心」も含めて総合的に判断することが大切です。

うーん、どっちがいいのか悩むわね…

家庭の状況や将来の計画によって答えは変わるんだにゃ。じっくり考えるにゃ!
ダブルワークで社会保険に加入するときの手続き
では、実際にダブルワークで社会保険に加入することになった場合、どんな手続きが必要なのでしょうか。
ここでは具体的な流れを見ていきましょう。
片方だけ加入する場合の手続き

片方の勤務先だけが加入条件を満たしている場合、手続きは比較的シンプルです。
その勤務先で通常の社会保険加入手続きをするだけでOK。
会社側が年金事務所に届け出をしてくれるので、あなた自身がやることは特にありません。
ただし、配偶者の扶養に入っている場合は、扶養から外れる手続きが必要になります。
これは配偶者の会社に「被扶養者異動届」を提出する必要があるので、忘れずに対応しましょう。
片方だけ加入する場合の手続き
① 加入条件を満たす勤務先で社会保険加入手続き
② 配偶者の会社に扶養を外れる届出(該当する場合)
③ 健康保険証の受け取り
④ 以前の保険証の返却
両方で加入する場合の手続き

両方の勤務先で加入条件を満たしている場合は、それぞれの会社で加入手続きをします。
この場合、少し特殊な手続きが必要になるんです。
まず、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を提出する必要があります。
この書類で、どちらの会社の保険証をメインで使うかを選択します。
また、年金手帳に2つの会社の記録が載ることになるので、将来の年金額計算も複雑になります。
年末調整や確定申告はどうなる?

ダブルワークをしていると、年末調整や確定申告も少し複雑になります。
年末調整はメインの勤務先(収入が多い方)で行い、もう一方の収入は確定申告で申告する必要があります。
両方の勤務先で年末調整をしてしまうと、控除が二重に適用されて後で追徴課税される可能性があるので注意が必要です。
確定申告は翌年の2月16日〜3月15日に行います。
両方の源泉徴収票を持って、税務署またはe-Taxで手続きをしましょう。

あぁ…確定申告とか面倒臭そう…

最初は大変だけど、1回やれば慣れるにゃ!税務署で教えてもらえるから安心するにゃ!
ダブルワークで社会保険に加入する際の注意点
最後に、ダブルワークで社会保険に加入する際の注意すべきポイントをまとめておきます。
これらを知っておくと、トラブルを避けられますよ。
勤務先に必ずダブルワークを報告する

ダブルワークをする場合、両方の勤務先にダブルワークをしていることを報告する必要があります。
なぜなら、社会保険の加入判断には「他の勤務先での労働時間」も含めて考える必要があるからです。
また、会社によっては副業・ダブルワークを禁止しているところもあるので、事前に就業規則を確認しましょう。
黙ってダブルワークをしていて、後でバレると懲戒処分になる可能性もあるので注意が必要です。
労働時間の管理をしっかり行う

ダブルワークでは、労働時間の管理がとても重要です。
労働基準法では、複数の会社で働いている場合、労働時間を合算して考えます。
つまり、A社で6時間、B社で4時間働いたら、その日の労働時間は合計10時間として計算されるんです。
1日8時間を超える部分は時間外労働になるので、後から契約した会社が割増賃金を払う義務があります。
また、働きすぎて体調を崩さないよう、自分でも労働時間をしっかり管理することが大切です。
扶養の壁を意識した働き方を

ダブルワークで稼ぎすぎると、扶養から外れて世帯全体で損をする可能性があります。
特に意識したいのが以下の「壁」です。
年収の壁 | 影響 |
---|---|
103万円の壁 | 所得税が発生、配偶者控除が減額 |
106万円の壁 | 社会保険加入の可能性(条件次第) |
130万円の壁 | 社会保険の扶養から外れる |
150万円の壁 | 配偶者特別控除が減額開始 |
ダブルワークでは2つの収入を合算して考えるので、思ったより早く壁を超えてしまうことがあります。
年収をコントロールしたい場合は、定期的に収入を確認しながら働くことが大切です。

うぅ…壁がいっぱいあって頭がこんがらがるわ…

大丈夫にゃ!一番大事なのは130万円の壁と106万円の壁だけ覚えておけばOKにゃ!
よくある質問。ダブルワークと社会保険
ここでは、ダブルワークと社会保険についてよくある質問をまとめました。
同じ疑問を持っている人も多いはずです。
Q1. 片方だけ社会保険に入ることは違法じゃない?

A. 全く問題ありません。
片方の勤務先だけが加入条件を満たしている場合、その勤務先でのみ社会保険に加入するのは正しい手続きです。
むしろ、加入条件を満たしていない勤務先で無理に加入する方が不正になります。
Q2. 両方で社会保険に入ったら年金は2倍もらえる?

A. 2倍にはなりませんが、増額されます。
両方の勤務先で厚生年金に加入すると、それぞれの給与に応じた年金が積み上がります。
ただし、単純に2倍になるわけではなく、合計の給与額に応じた年金額になります。
それでも、1つの会社だけで働くより年金額は確実に増えるので、長期的にはメリットがあります。
Q3. ダブルワークを会社に言わないとバレる?

A. 高確率でバレます。
年末調整や住民税の通知でダブルワークは発覚します。
また、社会保険の手続きでも他の勤務先の情報が必要になるので、隠し通すのは不可能に近いです。
後でトラブルになるより、最初から正直に報告する方が絶対に安心です。

なるほど!隠すより最初から伝えた方がいいのね!

正直が一番にゃ!変に隠すとややこしいことになるだけにゃ!
ダブルワークで迷ったら専門家に相談しよう
ダブルワークの社会保険は、個人の状況によって最適な選択が変わってきます。
「どうすればいいか分からない」「計算が複雑すぎる」と感じたら、専門家に相談するのがおすすめです。
年金事務所や市役所で無料相談できる

社会保険や年金のことは、年金事務所で無料相談できます。
自分の働き方だと社会保険に入る必要があるのか、保険料はいくらになるのかなど、具体的に教えてもらえます。
また、市役所や区役所の国民年金窓口でも相談に乗ってもらえるので、気軽に足を運んでみましょう。
しごママで再就職の情報をチェック

「ダブルワークを始めたいけど、どんな働き方がいいか分からない」という方は、当サイト「しごママ」の他の記事もぜひチェックしてみてください。
しごママは、主婦の再就職や働き方に特化したメディアです。
扶養内で働く方法、パート選びのコツ、面接対策、履歴書の書き方まで、主婦が働くために必要な情報を網羅的に掲載しています。「自分に合った働き方が分からない」という方は、関連記事で具体的なステップを確認できます。

わぁ!こんなに詳しく教えてくれるサイトがあるのね!

そうなんだにゃ!困ったときはしごママを頼ってほしいにゃ!
ダブルワークの社会保険は片方だけでOK。自分に合った働き方を選ぼう
ダブルワークの社会保険について、詳しく解説してきました。
片方だけ加入条件を満たしている場合は、その勤務先でのみ社会保険に加入すればOKです。

ただし、両方の勤務先が加入条件を満たしている場合は、両方で加入しなければなりません。
社会保険に加入すると保険料負担は増えますが、将来の年金額が増えたり、万が一のときの保障が手厚くなったりするメリットもあります。
大切なのは、目先の手取りだけでなく、長期的な視点で考えることです。
今は保険料負担が重く感じても、将来の安心につながる投資と考えれば、納得できる選択ができるはずです。
ダブルワークは、家計を支える大切な働き方。
自分や家族の状況に合わせて、最適な働き方を選んでいきましょう!

なんだかダブルワークに前向きになれたわ!ちゃんと理解して働けば大丈夫そうね♪

その調子にゃ!わからないことがあったら、いつでも調べたり相談したりしてにゃ!応援してるにゃ!