「家族で国民健康保険を別々に加入できるの?」
「世帯単位って聞いたけど、どういうこと?」
「保険料を別々に支払うことはできないの?」
国民健康保険の仕組みについて、こんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
実は、国民健康保険は原則として世帯単位での加入になります。しかし、条件によっては家族で別々に加入することも可能なんです。
この記事では、国民健康保険を家族で別々にする方法や、世帯単位の仕組み、メリット・デメリットまで詳しく解説します。

えっ?国民健康保険って家族で別々にできるの?

条件次第でできるにゃ!詳しく説明するから、しっかり読んでにゃ!
国民健康保険は家族で別々に加入できる?基本の仕組み
まず、国民健康保険の基本的な仕組みを理解しましょう。
国民健康保険は世帯単位での加入が原則です。つまり、同じ住民票に記載されている家族全員が一つのまとまりとして扱われます。
国民健康保険は世帯単位で保険料が計算される

国民健康保険では、世帯全員の加入者の保険料を合算して、世帯主に請求されます。
たとえば、夫・妻・子どもの3人が同じ世帯で国保に加入している場合、それぞれに保険料が発生し、その合計額が世帯主(多くの場合は夫)に請求されるのです。
これが「世帯単位」の意味です。
国民健康保険に「扶養」の概念はない

社会保険(健康保険)には「扶養」という制度がありますが、国民健康保険には扶養の概念がありません。
社会保険では、年収130万円未満の配偶者や子どもは扶養に入ることで保険料負担がゼロになります。
しかし、国民健康保険では加入者一人ひとりに保険料が発生するため、扶養に入って保険料を免除されるということはないのです。

えっ!?国保には扶養がないの?知らなかった!

そうなんだにゃ。国保は全員に保険料がかかるから、社会保険とは違うにゃ!
同一世帯では個別に保険料を支払えない

同じ世帯に住んでいる家族の場合、それぞれが個別に保険料を支払うことはできません。
たとえば、成人した子どもが「自分の分は自分で払いたい」と思っても、世帯が同じであれば世帯主にまとめて請求されます。
これは国民健康保険法で定められている仕組みなので、同一世帯である限り変更することはできないのです。
国民健康保険を家族で別々にする方法。世帯分離とは?
では、家族で国民健康保険を別々にすることは不可能なのでしょうか?
いいえ、「世帯分離」という手続きをすれば、家族でも別々に国保に加入できます。
世帯分離すれば家族でも別々の国保に加入できる

世帯分離とは、同じ住所に住んでいても、住民票上の世帯を分けることです。
たとえば、親と成人した子どもが同じ家に住んでいる場合、世帯分離すれば親の世帯と子どもの世帯に分かれます。
世帯が別になれば、それぞれが独立して国民健康保険に加入でき、保険料も別々に請求されるようになります。
世帯分離のポイント
- 同じ住所に住んでいてもOK
- 住民票上の世帯を分けるだけ
- 市区町村の窓口で手続き可能
- 世帯分離後は保険料が別々に
世帯分離のメリット。保険料が安くなる場合も

世帯分離をすることで、保険料が安くなる可能性があります。
国民健康保険の保険料は、世帯全員の所得を合算して計算されます。所得が高いほど保険料も高くなる仕組みです。
世帯分離すれば、それぞれの世帯で所得を分けて計算するため、所得の低い方の世帯では保険料が安くなることがあります。
また、低所得者向けの減免制度も世帯単位で判定されるため、世帯分離によって減免を受けられるようになるケースもあるのです。
世帯分離のデメリット。税金面での不利益も

一方で、世帯分離にはデメリットもあります。
最も大きいのは、税制上の扶養控除が受けられなくなることです。
世帯分離すると、税法上も別世帯として扱われるため、親を扶養に入れて控除を受けていた場合、その控除が使えなくなります。
また、家族手当や社会保険の扶養にも影響が出る可能性があるため、会社の制度を確認する必要があります。

世帯分離すれば安くなるかもしれないけど、デメリットもあるのね…

そうなんだにゃ。メリットとデメリットをよく比較してから決めるのが大事だにゃ!
国民健康保険を家族で別々にする手続きの流れ
実際に世帯分離をして、国民健康保険を家族で別々にするには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここでは、手続きの流れを詳しく解説します。
市区町村の窓口で世帯分離の届出をする

世帯分離は、住んでいる市区町村の役所の窓口で手続きができます。
必要なものは以下の通りです。
世帯分離に必要なもの
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 世帯変更届(窓口でもらえる)
手続きは即日完了することが多く、その場で新しい住民票をもらえます。
ただし、自治体によっては世帯分離の理由を聞かれることもあるので、事前に確認しておくと安心です。
世帯分離後は国民健康保険の手続きも必要

世帯分離が完了したら、国民健康保険の手続きも忘れずに行いましょう。
世帯分離をすると、それぞれの世帯で新しい保険証が発行されます。
手続きは国民健康保険の窓口で行い、以下のものが必要です。
- 新しい住民票(世帯分離後のもの)
- 現在の国民健康保険証
- 本人確認書類
- 印鑑
手続き後、新しい保険証が郵送されてきます。
保険料の通知も別々に届くようになるので、それぞれが自分で納付する必要があります。
世帯分離をする前に総合的に判断しよう

世帯分離をする前に、総合的に判断することが大切です。
国民健康保険料が安くなっても、税制上の扶養控除を失うことで所得税・住民税が増えてしまえば、トータルで損をする可能性もあります。
また、会社の家族手当がもらえなくなる場合もあるため、事前に会社に確認しましょう。
市区町村の国民健康保険課や税務課で、シミュレーションをしてもらうこともできるので、迷ったら相談してみてください。

うぅ…計算が複雑で、自分では判断できないわ…

そういうときは、役所の窓口で相談するといいにゃ!シミュレーションもしてもらえるにゃ!
国民健康保険を家族で別々にする際の注意点
世帯分離をして国民健康保険を家族で別々にする際には、いくつか注意すべき点があります。
ここでは、特に気をつけたいポイントを紹介します。
擬制世帯主の場合も納付義務があることに注意

世帯主が国民健康保険に加入していない場合でも、家族に国保加入者がいれば、世帯主が「擬制世帯主」として保険料の納付義務を負います。
たとえば、夫が会社の社会保険に加入していて、妻だけが国保に加入している場合、保険料の請求は夫宛てに届きます。
これは法律で定められているため、世帯主本人が国保に加入していなくても納付義務があることを理解しておきましょう。
世帯分離しても同居していれば生計は一緒とみなされることも

世帯分離をしても、実際には同じ家に住んでいる場合、税制上は「生計を一にしている」とみなされることがあります。
税法では、同居していれば原則として生計が同じと判断されるため、扶養控除が受けられないケースがあるのです。
特に親を扶養に入れている場合は、世帯分離によって扶養控除が使えなくなり、税金が増える可能性が高いので注意しましょう。
世帯分離後も元に戻すことは可能

世帯分離をした後でも、再び世帯を合併することは可能です。
「やっぱり一緒の世帯に戻したい」と思ったら、再度市区町村の窓口で手続きをすれば元に戻せます。
ただし、世帯を合併すると保険料も再び合算されるため、どちらが得かをしっかり考えてから決断しましょう。
国民健康保険を家族で別々にする方法。世帯単位の仕組みを理解しよう:まとめ
国民健康保険は原則として世帯単位で加入し、保険料も世帯主にまとめて請求されます。
しかし、世帯分離をすれば家族でも別々に国保に加入でき、保険料も別々に支払うことが可能です。
世帯分離には保険料が安くなるメリットがある一方で、税制上の扶養控除が受けられなくなるなどのデメリットもあるため、総合的に判断することが大切です。
迷ったときは、市区町村の窓口で相談し、シミュレーションをしてもらいましょう。
自分の家族にとって最適な方法を選んで、無理なく保険料を支払っていけるようにしてくださいね。

よく分かったわ!世帯分離すれば別々にできるのね。まずは役所に相談してみるわ♪

その調子にゃ!メリット・デメリットをしっかり考えて、最適な方法を選ぶにゃ!応援してるにゃ!