「ダブルワークしてたら、気づいたら月88,000円超えちゃった…」
「2つの職場を合わせて88,000円超えたら、社会保険に入らなきゃいけないの?」
「片方だけ超えた場合はどうなるの?」
パートを掛け持ちしている主婦の皆さんなら、この「88,000円の壁」について一度は聞いたことがあるでしょう。

実は、ダブルワークで88,000円を超えた場合、社会保険加入は「どちらの職場で超えたか」によって全く違うんです。
合計で88,000円を超えても加入しなくていいケースもあれば、片方だけ超えたら即加入になるケースもあります。
この記事では、ダブルワークで88,000円を超えた場合の社会保険加入ルールを徹底解説!
片方だけ超えた場合、両方で超えた場合、合算して超えた場合など、パターン別に分かりやすく説明します。さらに所得税や扶養の影響、働き方の調整方法まで主婦目線でお伝えしますね。
ダブルワークで88,000円超えたら社会保険に入るの?
まず最初に押さえておきたいのが、「88,000円の壁」の正しい意味です。
これを勘違いしていると、働き方の判断を間違えてしまいます。
88,000円の壁とは?社会保険加入の基準

月額88,000円というのは、社会保険に加入しなければならない収入の基準のこと。
これは年収に換算すると約106万円になります。
ただし、この88,000円は「1つの勤務先ごと」に判断されるというのが最大のポイントなんです。
つまり、2つの職場の収入を合計して88,000円を超えても、それだけでは社会保険に入る必要はありません。
社会保険加入の5つの条件(すべて満たす必要あり)
✓ 週の所定労働時間が20時間以上
✓ 月額賃金が88,000円以上(残業代・賞与除く)
✓ 2カ月を超える雇用見込みがある
✓ 学生でない
✓ 勤務先の従業員数が51人以上
この5つの条件を1つの職場ですべて満たした場合に、その職場で社会保険に加入する義務が発生するわけです。
ダブルワークの収入は合算しない!これが鉄則

ここが最も誤解されやすいポイント。
ダブルワークの場合、2つの職場の収入を合算して88,000円を判断するわけではありません。
例を見てみましょう。
【ケース1:合算では超えるが、個別では超えないパターン】
A社:月収60,000円(週15時間)
B社:月収50,000円(週12時間)
合計:110,000円
このケースでは、合計すると110,000円で88,000円を超えていますが、どちらの職場も単独では88,000円未満です。
したがって、社会保険に加入する義務は発生しません。

えっ!?合算じゃないの?てっきり2つ合わせて計算するのかと思ってたわ!

多くの人が勘違いするポイントにゃ!合算じゃなくて「職場ごと」に判断するのが正解にゃ!
片方だけ88,000円超えたらどうなる?

では、片方の職場だけが88,000円を超えた場合はどうなるでしょうか。
【ケース2:片方だけ超えるパターン】
A社:月収95,000円(週22時間)
B社:月収40,000円(週10時間)
合計:135,000円
このケースでは、A社が88,000円を超えており、かつ週20時間以上働いているため、A社で社会保険に加入する義務が発生します。
一方、B社は88,000円未満で週20時間未満なので、社会保険加入の対象外。
つまり、A社でのみ社会保険に加入すればOKです。
ダブルワークで両方とも88,000円超えたらどうなる?
次に、両方の職場で88,000円を超えてしまった場合について見ていきましょう。
このパターンは少し複雑になります。
両方で加入条件を満たすと二重加入になる

【ケース3:両方で超えるパターン】
A社:月収92,000円(週21時間)
B社:月収90,000円(週20時間)
合計:182,000円
この場合、どちらの職場も社会保険の加入条件を満たしています。
結果として、A社とB社の両方で社会保険に加入しなければなりません。
これを「二重加入」と呼び、それぞれの職場で保険料が天引きされることになります。
項目 | A社(月収92,000円) | B社(月収90,000円) |
---|---|---|
健康保険料 | 約5,000円 | 約4,900円 |
厚生年金保険料 | 約8,400円 | 約8,200円 |
合計負担 | 約13,400円 | 約13,100円 |
月間保険料総額 | 約26,500円 |
月収182,000円に対して、約26,500円の保険料負担は決して小さくありません。
手取りがかなり減ってしまうので、本当にこの働き方がベストなのか慎重に考える必要があります。

うそっ!両方で引かれるなんて、そんなのひどいわ!

手取りは減るけど、将来もらえる年金は2倍近く増えるにゃ。長期的にはメリットもあるんだにゃ。
二重加入のメリットとデメリット

二重加入には良い面も悪い面もあります。
しっかり理解した上で、働き方を選択しましょう。
働き方を調整して二重加入を避ける方法

もし二重加入を避けたいなら、働き方を調整する必要があります。
どちらか一方の職場で、以下のいずれかの条件を満たさないようにすればOK。
二重加入を避けるための調整方法
✓ どちらか一方を月88,000円未満に抑える
✓ どちらか一方を週20時間未満にする
✓ 従業員数50人以下の小規模な会社を選ぶ
✓ 短期契約(2カ月以内)にする
例えば、A社は月92,000円で働き、B社は月85,000円に抑えれば、A社でのみ社会保険に加入し、B社では加入しなくて済みます。
ただし、収入を抑えることで世帯収入も減るので、家計全体で考えることが大切です。
ダブルワークで88,000円超えると所得税はどうなる?
社会保険だけでなく、所得税についても知っておく必要があります。
88,000円を超えると税金面でも変化が起きるんです。
月88,000円超えると所得税が天引きされる

月収が88,000円を超えると、給与から所得税が天引きされるようになります。
これは社会保険とは別の話。
所得税の場合、それぞれの職場で個別に源泉徴収されるんです。
例えば、A社で月95,000円、B社で月40,000円稼いでいる場合、A社からは所得税が天引きされますが、B社は88,000円未満なので天引きされません。
ただし、年収の合計が103万円を超えると確定申告が必要になり、追加で税金を払う可能性があります。
年収103万円の壁との関係は?

「103万円の壁」は所得税が発生する基準です。
ダブルワークの場合、2つの職場の収入を合算して103万円を超えると、所得税がかかります。
また、配偶者控除も満額受けられなくなるので、世帯全体の税負担が増えることに。
年収の壁 | 影響 |
---|---|
103万円の壁 | 所得税が発生、配偶者控除が減額 |
106万円の壁 | 社会保険加入の可能性(条件次第) |
130万円の壁 | 社会保険の扶養から外れる |
150万円の壁 | 配偶者特別控除が減額開始 |
88,000円を超えて働く場合、これらの壁も意識しながら年収を調整することが重要です。

え?社会保険は職場ごとなのに、所得税は合算なの?ややこしいわね…

ちょっと待てぇぇ!社会保険は職場ごと、税金は合算。これが鉄則にゃ!混同しないように注意にゃ!
住民税はいつから課税される?

所得税と同じく気をつけたいのが住民税。
住民税は年収が約100万円を超えると課税されます(自治体によって若干異なる)。
ダブルワークで合計年収が100万円を超えると、翌年6月から住民税が課税されることになります。
住民税は前年の所得に対して課税されるので、働き始めた翌年から負担が始まるんです。
突然の請求にびっくりしないよう、あらかじめ住民税分を貯金しておくと安心ですね。
ダブルワークで88,000円超えたら扶養から外れる?
多くの主婦が気にしているのが、「扶養から外れるかどうか」という点。
88,000円を超えると扶養はどうなるのでしょうか。
社会保険の扶養から外れる条件

社会保険の扶養(配偶者の健康保険の被扶養者)から外れる基準は、年収130万円以上です。
ただし、社会保険の加入条件を満たした場合は、年収に関係なく即座に扶養から外れます。
つまり、片方の職場で月88,000円以上かつ週20時間以上働いて社会保険に加入すると、その時点で扶養から外れることに。
扶養から外れると、配偶者の会社から支給されている家族手当もなくなる可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
扶養内で働きたいならどうする?

扶養内で働き続けたいなら、社会保険の加入条件を満たさないように働く必要があります。
具体的には、以下のように調整しましょう。
扶養内で働くための調整方法
✓ どちらの職場も月88,000円未満にする
✓ どちらの職場も週20時間未満にする
✓ 年収を130万円未満に抑える
✓ 従業員数50人以下の小規模な会社を選ぶ
例えば、A社で月75,000円(週18時間)、B社で月50,000円(週12時間)なら、合計125,000円でも扶養内で働けます。
年収換算でも150万円(月12.5万円×12カ月)なので、130万円の壁も超えません。

なるほど!両方とも88,000円未満に抑えれば、扶養のままでいられるのね!

そのとおりにゃ!ただし労働時間も週20時間未満に抑える必要があるから注意にゃ!
扶養を外れても働いた方が得なケース

「扶養から外れると損」と思い込んでいる人も多いですが、実は年収150万円以上稼ぐなら、扶養を外れても世帯全体で得になることが多いんです。
なぜなら、社会保険料の半分は会社が負担してくれるし、将来もらえる年金も増えるから。
目先の手取りだけでなく、長期的な視点で考えることが大切です。
特に、20代〜40代の方なら、今から厚生年金に加入しておくことで老後の安心感が大きく変わってきます。
ダブルワークで88,000円超えないための働き方のコツ
「できれば社会保険に入らずに働きたい」という方に向けて、具体的な働き方のコツをお伝えします。
月収と労働時間を計画的に管理する

88,000円を超えないためには、月収と労働時間の両方を管理する必要があります。
時給1,200円で働く場合、月88,000円を超えないためには約73時間以内に抑える必要があります。
週4日×4.5時間=週18時間なら、月約72時間で86,400円。
このように時給と労働時間から逆算してシフトを調整しましょう。
時給別・88,000円未満に抑える労働時間の目安
・時給1,000円:月88時間未満(週約20時間未満)
・時給1,100円:月80時間未満(週約18時間)
・時給1,200円:月73時間未満(週約17時間)
・時給1,300円:月67時間未満(週約15時間)
残業代や賞与は含まれない点に注意

ここで朗報。
88,000円の判定には、残業代や賞与、通勤手当は含まれません。
つまり、基本給が88,000円未満であれば、残業代で多少超えても社会保険加入の対象にはならないんです。
ただし、毎月固定で支給される手当(役職手当や職務手当など)は88,000円に含まれるので注意が必要。
小規模な会社を選ぶのも一つの方法

社会保険加入の条件の一つに、「従業員数51人以上」という基準があります。
つまり、従業員数50人以下の小規模な会社で働けば、月88,000円を超えても週20時間を超えても、社会保険に加入しなくて済むことがあるんです。
地域の個人経営の飲食店やクリーニング店、小さな事務所などは、この条件に該当することが多いです。
ただし、将来的に従業員数の基準が引き下げられる可能性もあるので、長期的には注意が必要ですね。

へぇ!小さい会社だと社会保険に入らなくていいのね!知らなかったわ!

そうなんだにゃ!従業員数50人以下なら、今のところは対象外にゃ!でも将来変わる可能性もあるから注意にゃ!
ダブルワークで88,000円超えた場合の手続き
もし88,000円を超えて社会保険に加入することになった場合、どんな手続きが必要なのでしょうか。
具体的な流れを見ていきましょう。
片方だけ超えた場合の加入手続き

片方の職場だけが加入条件を満たしている場合、その職場で通常の加入手続きをするだけです。
会社側が年金事務所に届け出をしてくれるので、あなたが特別にすることはほとんどありません。
ただし、配偶者の扶養に入っている場合は、扶養から外れる手続きが必要になります。
片方だけ加入する場合の手続きの流れ
① 勤務先で社会保険加入の手続き
② 配偶者の会社に「被扶養者異動届」を提出
③ 健康保険証の受け取り
④ 以前の保険証を返却
両方で加入する場合の特殊な手続き

両方の職場で加入条件を満たしている場合は、それぞれの職場で加入手続きをします。
この場合、少し特殊な書類が必要になるんです。
「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を提出し、どちらの会社の保険証をメインで使うかを選択します。
この手続きは会社側がサポートしてくれることが多いので、人事担当者に相談しましょう。
年末調整と確定申告の注意点

ダブルワークをしていると、年末調整と確定申告も少し複雑になります。
年末調整はメインの勤務先(収入が多い方)でのみ行い、もう一方の収入は自分で確定申告する必要があるんです。
両方の職場で年末調整をしてしまうと、控除が二重に適用されて後で追徴課税されてしまうので注意が必要。
確定申告は翌年の2月16日〜3月15日に行いますが、最近はスマホでも簡単にできるようになっているので安心です。

うぅ…確定申告なんて難しそう…できるかしら…

大丈夫にゃ。今はスマホで簡単にできるし、税務署に行けば職員さんが優しく教えてくれるにゃ!
よくある質問。ダブルワークと88,000円の壁
ここでは、ダブルワークと88,000円について、よくある質問をまとめました。
同じ疑問を持っている人も多いはず。
Q1. 2つの職場を合わせて月88,000円超えたら社会保険に入るの?

A. 合算では判断しません。
社会保険加入は「職場ごと」に判断されます。
2つの職場の収入を合計して88,000円を超えても、どちらの職場も単独で88,000円未満であれば、社会保険に加入する必要はありません。
Q2. 片方だけ88,000円超えたら両方で保険料を払うの?

A. いいえ、片方だけです。
片方の職場だけが加入条件を満たしている場合、その職場でのみ社会保険に加入し、保険料もその職場の給与からのみ天引きされます。
もう一方の職場では保険料は引かれません。
Q3. 88,000円超えたら必ず扶養から外れる?

A. 条件次第です。
88,000円を超えても、他の条件(週20時間未満、従業員数50人以下など)を満たしていなければ社会保険に加入せず、扶養のままでいられます。
ただし、社会保険加入条件をすべて満たして加入した場合は、扶養から外れます。
Q4. 88,000円に交通費は含まれる?

A. 含まれません。
88,000円の判定には、通勤手当(交通費)は含まれません。
また、残業代や賞与も含まれないので、基本給ベースで考えましょう。
ただし、固定手当(役職手当など)は含まれるので注意が必要です。

なるほど!交通費は別で計算するのね。これなら少し安心だわ!

そうなんだにゃ!交通費は別だから、少し余裕を持って働けるにゃ!
ダブルワークで迷ったら専門家に相談しよう
ダブルワークの社会保険や税金は、個人の状況によって最適な選択が大きく変わります。
「自分の場合はどうなるの?」と迷ったら、専門家に相談するのが一番確実。
年金事務所や市役所で無料相談できる

社会保険や年金のことは、年金事務所で無料相談できます。
自分の働き方だと社会保険に入る必要があるのか、保険料はいくらになるのかなど、具体的に教えてもらえますよ。
また、税金のことは税務署で相談できるし、市役所や区役所の窓口でも基本的なアドバイスがもらえます。
一人で悩まず、気軽に相談してみることをおすすめします。
しごママで再就職の情報をチェック

「ダブルワークを始めたいけど、どんな働き方がいいか分からない」という方は、当サイト「しごママ」の他の記事もぜひチェックしてみてください。
しごママは、主婦の再就職や働き方に特化したメディアです。
扶養内で働く方法、パート選びのコツ、面接対策、履歴書の書き方まで、主婦が働くために必要な情報を網羅的に掲載しています。「自分に合った働き方が分からない」という方は、関連記事で具体的なステップを確認できます。

わぁ!困ったときに相談できる場所があるのね!安心したわ!

一人で抱え込まないことが大事にゃ!専門家や「しごママ」を頼ってほしいにゃ!
ダブルワーク88,000円超えたら。自分に合った働き方を選ぼう
ダブルワークで88,000円を超えた場合の社会保険について、詳しく解説してきました。
最も大切なのは「職場ごとに判断される」というルールです。

2つの職場の収入を合算して88,000円を超えても、それぞれが単独で88,000円未満なら社会保険に入る必要はありません。
逆に、片方でも88,000円を超えて他の条件も満たせば、その職場で社会保険に加入します。
両方で条件を満たせば、両方で加入しなければなりません。
大切なのは、目先の手取りだけでなく、長期的な視点で考えること。
社会保険に加入すると保険料負担は増えますが、将来の年金額が増えたり、病気やケガのときの保障が手厚くなったりするメリットもあります。
扶養内で働きたいなら88,000円未満に抑える工夫が必要だし、しっかり稼ぎたいなら社会保険に加入して将来に備えるのも一つの選択肢。
自分や家族の状況、将来の計画を考えて、最適な働き方を選んでいきましょう。
ダブルワークは、家計を支える大切な働き方です。
88,000円の壁を正しく理解して、自分に合ったバランスを見つけてくださいね!

すごくよく分かったわ!これでダブルワークも安心して始められそうね♪

その調子にゃ!困ったことがあったら、いつでも調べたり相談したりしてにゃ!応援してるにゃ!