育休中の生命保険料控除は意味ないの?賢く活用するには。

「育休中、生命保険料控除を申告したけど意味なかった…」
「せっかく保険料払ってるのに、なんで控除が使えないの?」
「損した気分…申告する意味ある?」

そんなモヤモヤを抱えていませんか?

実は、育休中に生命保険料控除が「意味ない」と感じるのは、多くの人がつまずくポイント。

でも、本当に意味がないわけではないんです。

育休中の生命保険料控除が意味ないと言われる理由

まずは、なぜ育休中の生命保険料控除が「意味ない」と言われるのか、その根本的な理由を理解していきましょう。

所得がないと控除の効果が出ない

生命保険料控除が「意味ない」と言われる最大の理由は、育休中は所得がないから。

生命保険料控除は、払った保険料の一部を所得から差し引いて、所得税や住民税を減らす制度です。

でも、育休中は給料が出ないため、そもそも所得税がかかりません。

所得税がゼロなら、控除を受けても税金は減らない。だから「意味ない」と感じるんです。

これは制度の仕組み上、仕方のないことなんですよね。

育児休業給付金は所得に含まれない

育休中にもらえる育児休業給付金は、所得税がかからない非課税の収入。

つまり、育児休業給付金だけで生活している場合、所得はゼロとみなされます。

所得がゼロなら、生命保険料控除を申告しても税金は減りません。

「せっかく保険料払ってるのに…」と損した気分になるのも無理はないですよね。

多くの人が毎月数千円から数万円の保険料を払っているのに、控除が使えないと知ったときの落胆は大きいものです。

年の途中まで働いていた給料は所得に含まれる

ただし、年の途中まで働いていた給料や賞与は所得に含まれます。

例えば、年の前半6ヶ月働いて給料180万円、その後育休に入ったケース。

この場合、年間所得は180万円あるため、生命保険料控除を申告すれば税金が減ります。

育休に入るタイミングによって、控除が使えるかどうかが変わるんです。

4月に出産して5月から育休という人と、12月に出産して翌年から育休という人では、その年の所得がまったく違いますよね。

育休中でも生命保険料控除が意味あるケース

「育休中は意味ない」と思われがちな生命保険料控除ですが、実は意味があるケースもたくさんあります。

自分がどのケースに当てはまるか、しっかり確認していきましょう。

年の途中まで働いていた場合

年の途中まで働いていて給料をもらっていた場合、生命保険料控除は意味があります。

例えば4月まで働いて給料80万円、5月から育休に入ったケース。

年間所得80万円あるため、所得税がかかります。

この場合、生命保険料控除を申告すれば、所得税を減らせるんです。

年末調整で控除を申告すれば、払いすぎた税金が還付されることもあります。

特に、賞与をもらってから育休に入った人は、かなりの節税効果が期待できます。

副業や在宅ワークで収入がある場合

育休中でも、副業や在宅ワークで収入がある場合は控除が使えます。

例えば、ライティングやデザインなどの副業で年間30万円稼いだケース。

この収入には所得税がかかるため、生命保険料控除を申告すれば税金を減らせます。

副業収入は確定申告が必要ですが、その際に生命保険料控除も一緒に申告しましょう。

少しでも所得があれば、控除は無駄になりません。

最近は、育休中にWebライターやハンドメイド作家として活動する人も増えていますよね。

クラウドソーシングで月3万円稼いでいる人なら、年間36万円の所得になるため、控除を申告する価値は十分あります。

配偶者の年末調整で控除を使う方法

自分に所得がなくても、配偶者の年末調整で生命保険料控除を使う方法があります。

実際に保険料を払っているのが配偶者(夫)なら、夫の年末調整で控除を申告できるんです。

例えば、妻名義の生命保険でも、実際に保険料を払っているのが夫なら、夫の控除として使えます。

育休中で自分の所得がゼロでも、配偶者の節税につながるので無駄にはなりません。

夫が年収500万円なら、生命保険料控除で年間数千円から1万円程度の節税になることも。

家計全体で見れば、しっかり意味があるんです。

育休中の生命保険料控除。申告すべき?しなくていい?

では、実際に年末調整の時期が来たとき、どう判断すればいいのでしょうか。

ケース別に詳しく見ていきましょう。

所得がゼロなら申告しなくてOK

育休中で給料も副業収入もゼロなら、生命保険料控除を申告しなくても問題ありません。

所得がないので、申告しても税金は減らないからです。

年末調整の書類に「所得なし」と書いて提出すればOK。

保険料控除証明書をわざわざ添付する必要もありません。

「意味ないから申告しない」という選択は、正しい判断です。

むしろ、意味のない書類を準備する手間が省けて効率的ですよね。

少しでも所得があるなら申告すべき

年の途中まで働いていた給料や、副業収入が少しでもあるなら、必ず申告しましょう。

所得が少なくても、控除を申告すれば税金が減る可能性があります。

年収50万円でも、生命保険料控除を申告すれば数千円〜数万円の節税になることも。

「少額だから意味ない」と思わず、きちんと申告してください。

保険料控除証明書は保険会社から10月頃に郵送されるので、大切に保管しておきましょう。

生命保険料控除は、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3種類があり、それぞれ最大4万円ずつ控除できます。

合計で最大12万円の所得控除になるので、所得がある人にとっては大きな節税効果があるんです。

配偶者の控除で使うなら必ず相談を

配偶者の年末調整で控除を使う場合、事前に夫婦で相談しておくことが大切。

誰が実際に保険料を払っているのか、どちらの控除として使うのかを明確にしましょう。

夫が保険料を払っているなら、妻の年末調整ではなく夫の年末調整で申告します。

二重に申告するとトラブルになるので、必ず話し合ってください。

保険料控除証明書も、夫の会社に提出することになります。

家族で加入している保険が複数ある場合は、誰の控除として使うのが最も節税効果が高いかを計算してみるのもおすすめです。

育休中の生命保険料控除。よくある誤解

育休中の生命保険料控除について、多くの人が誤解しているポイントがあります。

正しく理解して、モヤモヤを解消しましょう。

誤解①申告しないと損をする

「控除を申告しないと損をする」と思っている人も多いですが、所得がなければ申告しても意味がありません。

控除は税金を減らす制度なので、そもそも税金がなければ減らしようがないんです。

「申告しないと損」ではなく、「所得がないなら申告しても無駄」が正しい理解。

育休中で所得ゼロなら、申告しなくても損はしていません。

むしろ、意味のない申告に時間を使う方が無駄だと言えます。

誤解②保険料が無駄になる

「控除が使えないなら、保険料が無駄になる」と感じる人もいますが、それは違います。

生命保険は万が一のときの保障。控除はあくまでオマケの節税効果です。

育休中に控除が使えなくても、保険の保障は続いています。

「家族を守るために入っている」という本来の目的を忘れないでください。

復帰後は、また控除が使えるようになります。

もし万が一のことがあったとき、保険金で家族が救われるなら、それが保険の本当の価値です。

控除は税金が減る「おまけ」であって、保険に入る本来の目的ではないんですよね。

誤解③復帰後も控除が使えない

「一度意味がなかったら、もう使えない」と思っている人もいますが、復帰後は普通に控除が使えます。

育休明けで仕事復帰すれば、また給料がもらえるようになります。

所得が発生すれば、生命保険料控除も有効になるんです。

育休中だけ一時的に「意味ない」状態になっているだけ。

復帰後の年末調整では、きちんと控除を申告しましょう。

時短勤務でも正社員でも、給料が出ている限り控除は使えます。

育休中の年末調整。他に注意すべきポイント

生命保険料控除以外にも、育休中の年末調整で知っておきたいポイントがあります。

配偶者控除・配偶者特別控除が使える

育休中で所得がない場合、配偶者(夫)が配偶者控除を受けられる可能性があります。

配偶者控除は、配偶者の年間所得が48万円以下なら最大38万円の控除を受けられる制度。

育休中で給付金しかもらっていない場合、所得ゼロとみなされるため、夫が配偶者控除を受けられます。

夫の年末調整で「配偶者控除」の欄にチェックを入れるのを忘れずに!

これだけで、年間数万円の節税になることもあります。

住民税の申告も忘れずに

所得税の年末調整だけでなく、住民税の申告も忘れないようにしましょう。

住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、育休中でも前年に働いていた分の住民税がかかることがあります。

年末調整や確定申告をきちんとしておけば、市区町村が自動的に住民税を計算してくれます。

生命保険料控除は、住民税の計算にも影響するため、所得がある場合は必ず申告してください。

保険料控除証明書は大切に保管を

保険料控除証明書は、毎年10月頃に保険会社から郵送されます。

育休中で使わなくても、復帰後に必要になるので大切に保管しておきましょう。

紛失した場合は、保険会社に連絡すれば再発行してもらえます。

年末調整の時期が近づいたら、早めに準備しておくとスムーズです。

郵便物が多い時期なので、他の書類に紛れてしまわないよう注意してくださいね。

育休中の生命保険料控除が意味ない？気持ちを整理する方法まとめ

育休中に生命保険料控除が「意味ない」と感じるのは、所得がないからです。

でも、それは制度の仕組み上、仕方のないこと。

大切なのは、自分の状況を正しく理解すること。

育休中で所得がゼロなら、申告しなくても損はしていません。

少しでも所得があるなら、きちんと申告して節税しましょう。

そして何より、家族を守るために保険に入り続けている自分を褒めてあげてください。

控除が使えないからといって、保険料が無駄になっているわけではありません。

復帰後は、また控除が使えるようになります。焦らず、今の状況を受け入れて大丈夫です。

年末調整の時期は、誰もが「なんだか損した気分」になりやすいもの。

でも、制度の仕組みを理解すれば、モヤモヤした気持ちもスッキリ整理できます。

育休は、子どもとの大切な時間を過ごすための期間。

税金のことで悩みすぎず、今しかない子育ての時間を楽しんでくださいね。