育児休業給付金と失業手当どっちが得?比較と選び方を解説。

「育児休業給付金と失業手当、どっちが得なの?」

「育休取るか、退職して失業手当をもらうか迷ってる…」

「損したくないから、お得な方を選びたい!」

出産後の働き方を考えるとき、お金のことは気になりますよね。

結論から言うと、一般的には育児休業給付金の方が金額が多く、経済的に有利です。

ただし、どちらが「得」かは、あなたの状況や今後の働き方によって変わります。

育児休業給付金と失業手当は目的が違う制度

まず理解しておきたいのが、育児休業給付金と失業手当は目的がまったく違う制度だということ。

単純に「どっちが得か」を比べるものではないんです。

育児休業給付金は育児のための制度

育児休業給付金は、育児休業を取得している人の生活を支援するための給付金。

会社に在籍したまま育児に専念し、将来的に復帰することを前提としています。

雇用保険から支給され、育休中の収入減少を補うための制度です。

失業手当は再就職のための制度

失業手当(雇用保険の基本手当)は、退職後の求職活動を支援するための給付金。

「すぐに働く意思と能力がある」ことが条件で、再就職するまでの生活を支える制度です。

同じく雇用保険から支給されますが、退職していることが前提です。

両方同時には受け取れない

育児休業給付金と失業手当は、同時には受け取れません。

育休中は会社に在籍しているので失業していないため、失業手当の対象外。

ただし、育休を取って給付金をもらった後、退職して失業手当を受け取ることは可能です。

育児休業給付金と失業手当の違いを徹底比較

それでは、育児休業給付金と失業手当の違いを詳しく比較していきましょう。

金額の比較:育児休業給付金の方が高い

一般的に、育児休業給付金の方が失業手当より金額が高いです。

育児休業給付金は社会保険料が免除されるため、手取りベースで見ると実質的に給与の約8割相当になることも。

失業手当は社会保険料を自分で払わなければならないので、その分目減りします。

期間の比較:育児休業給付金の方が長い

受給期間も、育児休業給付金の方が長いです。

育児休業給付金は最長2年間受給できるのに対し、失業手当は長くても約1年。

トータルで受け取れる金額も、育児休業給付金の方がかなり多くなります。

条件の比較:失業手当の方が厳しい

受給条件は、失業手当の方が厳しいです。

失業手当は「すぐに働ける状態」が必須。

育児に専念したい場合は受給できないので、注意が必要です。

育児休業給付金と失業手当を比較表で整理

ここまでの比較を、わかりやすく表にまとめてみましょう。

一目でわかる比較表

具体例で比較してみる

月収30万円の人が、それぞれの制度を利用した場合を比較してみましょう。

この例で見ると、育児休業給付金の方が圧倒的に受取額が多いことがわかります。

トータルで見れば育児休業給付金が圧倒的に有利

金額、期間、社会保険料免除など、トータルで見ると育児休業給付金の方が圧倒的に有利です。

単純に「お金だけ」で考えるなら、育休を取って給付金をもらう方が得。

ただし、お金だけが判断基準ではないですよね。

今後のキャリアや働き方、家族の状況なども考える必要があります。

育児休業給付金を選ぶべき人

どんな人が育児休業給付金を選ぶべきなのでしょうか。

育児に専念したい人

「子どもが小さいうちはそばにいたい」

「少なくとも1歳までは育児に専念したい」

こう思っているなら、育児休業給付金一択です。

失業手当は「すぐに働く意思」が必要なので、育児に専念したい人には向いていません。

職場に戻るつもりがある人

「今の会社は好きだから戻りたい」

「育休後も同じ職場で働き続けたい」

職場復帰する予定なら、当然育児休業給付金を選びます。

退職する必要がないので、失業手当を選ぶ理由はありません。

少しでも多くお金を受け取りたい人

「少しでも多くお金を受け取りたい」

「経済的に安定したい」

金額を重視するなら、育児休業給付金の方が断然有利です。

期間も長く、社会保険料も免除されるので、トータルで受け取れる金額が大きく違います。

失業手当を選ぶべき人

では、どんな人が失業手当を選ぶべきなのでしょうか。

今の会社に戻りたくない人

「今の職場には戻りたくない」

「産後は別の会社で働きたい」

今の会社に戻る気がないなら、育休を取っても意味がないかもしれません。

退職して失業手当を受けながら、次の仕事を探す方が現実的です。

すぐに転職活動を始めたい人

「産後すぐに働きたい」

「育児と両立しやすい職場に転職したい」

すぐに転職活動を始めたい場合は、失業手当を活用しましょう。

ただし、子どもの預け先を確保することと、積極的な求職活動が必要です。

育休を取れない環境の人

「職場の雰囲気的に育休が取りづらい」

「育休を取ると嫌がらせを受けそう」

残念ながら、育休を取りづらい職場もまだ存在します。

無理に育休を取って辛い思いをするより、退職して失業手当を受けながら次を探す方が精神的に楽かもしれません。

両方を活用する賢い方法もある

実は、育児休業給付金と失業手当の両方を活用する方法もあります。

育休を取った後に退職して失業手当を受給

最もお得なのは、育休を取って給付金をもらい、復帰後に退職して失業手当を受け取る方法。

①まず育休を取って育児休業給付金を満額受け取る(最長2年間)
②職場に復帰する
③数ヶ月働いてから退職
④失業手当を受け取りながら転職活動

この方法なら、両方の給付金を受け取ることができます。

育休明けすぐ退職は避けた方が無難

ただし、育休明けすぐに退職するのは、周囲からの印象が良くありません。

「給付金目当てだったのでは?」と疑われる可能性もあります。

少なくとも数ヶ月は働いてから退職する方が、円満に退職できます。

計画的に考えることが大切

両方を活用するなら、計画的に考えることが大切。

「いつ退職するか」「次の仕事はどう探すか」「保育園はどうするか」など、事前にしっかり計画を立てましょう。

無計画に進めると、失業手当を受け取れなかったり、保育園を退園になったりするリスクもあります。

お金だけで決めない。自分に合った選択を

「どっちが得か」を考えるとき、お金だけで判断するのは危険です。

今後のキャリアも考える

目先のお金だけでなく、今後のキャリアも考えましょう。

育休を2年取ると、その分仕事から離れる期間が長くなります。

キャリアのブランクが長くなることで、復帰後に苦労するかもしれません。

逆に、早めに退職して転職活動をすれば、より自分に合った職場を見つけられる可能性もあります。

家族の状況も大切

家族の状況も判断材料の一つ。

夫の収入が安定しているなら、育休を長く取っても問題ないかもしれません。

逆に、早く収入を得る必要があるなら、失業手当を受けながら早めに転職する方が良いでしょう。

家族とよく話し合って決めることが大切です。

「損したくない」より「自分らしい選択」を

「損したくない」という気持ちはわかります。

でも、お金だけで判断するのではなく、自分らしい選択をすることが一番大切。

育児に専念したいなら育休給付金を、すぐに働きたいなら失業手当を。

自分と家族にとってベストな選択をしましょう。

迷ったらまず情報収集を

「どっちを選べばいいかわからない」という方は、まず情報収集から始めましょう。

ハローワークで相談する

ハローワークでは、育児休業給付金や失業手当について詳しく相談できます。

自分の状況で実際にいくらもらえるのか、どんな条件が必要なのか、具体的に教えてもらえます。

マザーズハローワークなら、子育て中のママに特化した相談ができるのでおすすめです。

しごママで情報収集する

「もっと詳しく知りたい」という方は、当サイト「しごママ」の他の記事もぜひチェックしてみてください。

育児休業給付金と失業手当どっちが得?自分に合った選択を:まとめ

育児休業給付金と失業手当、どっちが得かは一概には言えません。

金額だけで見れば育児休業給付金の方が圧倒的に有利ですが、今後の働き方やキャリアによって最適な選択は変わります。

大切なのは、お金だけで判断しないこと。

育児に専念したいのか、すぐに働きたいのか、今後のキャリアをどう考えるのか。

自分と家族の状況をよく考えて、自分らしい選択をしましょう。

どちらを選んでも、あなたの決断は正しい選択です。