「配偶者控除って、所得税だけじゃなくて住民税にもあるの?」
「住民税の配偶者控除は、いくらまで控除されるんですか?」
「所得税の配偶者控除と住民税の配偶者控除って同じなの?」
配偶者がパート勤務している世帯では、配偶者控除について疑問が出てくるのは自然なことです。

実は、住民税にも配偶者控除という制度があり、所得税とは微妙に異なる仕組みになっているんです。
配偶者の年収、世帯主の所得、控除額。これらが複雑に絡み合うため、多くの人が混乱してしまいます。
この記事では、住民税における配偶者控除の仕組みを、所得税との違いを踏まえながら詳しく解説します。
配偶者控除の対象になる条件、控除額の計算方法、年収の壁。すべてが理解できます。
住民税の配偶者控除と所得税の配偶者控除。根本的な違い
まず重要なのは、住民税と所得税は別の税制だということです。
だから、配偶者控除の制度も、微妙に異なるんです。
住民税の配偶者控除とは。基本を理解する

住民税における配偶者控除とは、世帯主の住民税の計算時に、配偶者がいることで税負担を軽減する制度です。
配偶者が一定の条件を満たしていれば、世帯主は控除を受けられ、その分だけ住民税が安くなるんです。
ただし、この控除を受けるには、複数の条件を満たす必要があります。
所得税と住民税の配偶者控除の主な違い

所得税と住民税の配偶者控除には、いくつか違いがあります。
最も大きな違いは、控除額の設定が異なることです。
所得税の配偶者控除は、納税者の所得によって段階的に38万円から0円に変わります。
一方、住民税の配偶者控除は33万円が基本で、やはり段階的に減額されます。
また、配偶者の所得条件も微妙に異なります。
所得税 vs 住民税 配偶者控除の違い
【所得税の配偶者控除】
・控除額:最大38万円
・配偶者所得条件:48万円以下
・納税者所得条件:1,000万円以下
・控除減額:900万円超で段階減
【住民税の配偶者控除】
・控除額:最大33万円
・配偶者所得条件:58万円以下
・納税者所得条件:1,000万円以下
・控除減額:900万円超で段階減
この違いから、同じ家庭でも所得税は配偶者控除が受けられるのに、住民税では受けられないというケースが生じることもあるんです。

あ、所得税と住民税で条件が違うんだ…複雑だ。

ちょっと複雑だけど、理解するとスッキリするんだにゃ。
住民税の配偶者控除の対象条件。誰が控除を受けられるのか
では、住民税の配偶者控除を受けるには、どんな条件が必要なのでしょうか。
複数の条件があり、全て満たす必要があります。
配偶者控除の条件1。世帯主の所得が1,000万円以下

最初の条件は、世帯主の合計所得が1,000万円以下であることです。
この条件を超えると、配偶者控除は受けられません。
ただし、1,000万円以下なら、その中でも所得に応じて控除額が段階的に変わるんです。
配偶者控除の条件2。配偶者の所得が58万円以下

次に重要な条件は、配偶者の合計所得が58万円以下であることです。
給与収入の場合、年収にして約123万円以下なら、この条件を満たします。
ここが所得税と異なる点。所得税は48万円ですが、住民税は58万円なんです。
つまり、配偶者の所得が48万円超から58万円以下なら、所得税は配偶者控除の対象外ですが、住民税は対象内という状況が生じるわけです。
配偶者控除の条件3。配偶者が配偶者特別控除の対象外

配偶者控除と配偶者特別控除は、同時に受けることはできません。
配偶者の所得が58万円超133万円以下なら、配偶者特別控除の対象になります。
この場合、配偶者控除ではなく、配偶者特別控除を選ぶことになるんです。
配偶者所得別。控除の選択
【所得0〜58万円】
→ 配偶者控除が適用
【所得58万円超〜133万円】
→ 配偶者特別控除が適用
【所得133万円超】
→ 控除対象外
住民税の配偶者控除額。世帯主の所得によって変わる
配偶者控除の対象になったとしても、控除額は一定ではありません。
世帯主の所得によって、段階的に減額されるんです。
基本控除額は33万円。でも世帯主の所得で変わる

住民税の配偶者控除は、基本的には33万円です。
ただし、世帯主の所得が900万円を超えると、段階的に減額されていくんです。
900万円超950万円以下なら22万円、950万円超1,000万円以下なら11万円、1,000万円超なら0円という具合にです。
世帯主所得別。配偶者控除額
【所得900万円以下】
控除額:33万円
【所得900万円超950万円以下】
控除額:22万円
【所得950万円超1,000万円以下】
控除額:11万円
【所得1,000万円超】
控除額:0円(対象外)
配偶者の所得が58万円を超えた場合は、配偶者特別控除が活躍します。
配偶者特別控除とは。柔軟な控除制度

配偶者特別控除は、配偶者の所得が高めでも、一定範囲なら控除を受けられる制度です。
配偶者の所得が58万円超133万円以下なら、その所得金額に応じて控除が受けられるんです。
最大控除額は33万円ですが、配偶者の所得が増えるに従って段階的に減額されていきます。
配偶者特別控除の対象範囲と控除額の変化

配偶者特別控除は、配偶者の所得が高くなるにつれて、控除額も減っていきます。
配偶者所得58万円超から133万円以下の範囲で、6段階に分けて控除額が決まっているんです。
また、世帯主の所得が1,000万円を超える場合は、配偶者特別控除も受けられません。

配偶者の所得が増えても、完全に0になるわけじゃないんだ。

そう。だから配偶者が適度に働く中でも、世帯主は税制上の優遇を受けられるんだにゃ。
住民税の配偶者控除と配偶者特別控除。年末調整と確定申告での手続き
配偶者控除や配偶者特別控除を受けるには、正しい手続きが必要です。
年末調整での申告が最初のステップ

会社員世帯主の場合は、年末調整で配偶者控除を申告します。
「給与所得者の配偶者控除等申告書」を提出することで、所得税と住民税の両方で控除が適用されるんです。
この申告書には、配偶者の所得見積額などを記載する必要があります。
自営業の場合は確定申告で申告

自営業の世帯主の場合は、確定申告で配偶者控除を申告します。
確定申告時に、配偶者の所得を申告することで、所得税と住民税の両方で控除が適用される流れです。
配偶者の所得が変わったら、すぐ報告が必要

配偶者の年間所得が当初の見込みと大きく異なった場合は、訂正が必要です。
所得税なら修正申告、住民税なら市役所への届出が必要になる場合があります。
住民税の配偶者控除を正しく理解。妻の働き方と税制の最適化
住民税の配偶者控除の仕組みを理解することで、世帯の税負担を最適化できます。

配偶者控除が受けられる所得範囲なら、妻はより安心して働くことができるんです。
所得税は48万円ですが、住民税は58万円が基準。つまり、48万円超58万円以下の所得なら、所得税は課税されるかもしれませんが、住民税の配偶者控除は受けられるということですね。
また、配偶者の所得が58万円を超えても、133万円までなら配偶者特別控除が受けられます。
つまり、妻が適度に働いて家計を支えながらも、世帯全体の税負担は軽減できる仕組みになっているんです。
住民税の配偶者控除を理解することで、妻の働き方がより柔軟になります。
「配偶者控除が受けられる年収以下に抑えなければ」という窮屈な考え方ではなく、「控除を受けながら、適度に働く」という選択肢が見えてくるんです。
妻が自分のキャリアを築きながら、世帯全体で税制上の優遇を受ける。その実現には、住民税の配偶者控除の仕組みを正確に理解することが欠かせません。

なるほど。配偶者控除を理解すれば、もっと自信を持って働けるんだ。

そうだにゃ。正しい知識を持つことで、人生の選択肢が広がるんだにゃ。