「会社から厚生年金に入るように言われたけど、厚生年金って何?」
「パート主婦でも厚生年金に入らないといけないの?」
「厚生年金に入ると、将来どうなるんだろう…」
パートで働く主婦にとって、厚生年金とは何かをしっかり理解することは、とても大切です。

実は、パートでも週20時間以上、月収8万8,000円以上働くと、厚生年金に加入する義務が発生するんです。
「今まで扶養内で働いていたのに、いきなり厚生年金?」と戸惑いますよね。
この記事では、パート主婦のための厚生年金を徹底解説。
厚生年金とは何か、加入条件、保険料、将来もらえる年金額、さらには「入った方がいいのか、扶養のままがいいのか」まで、分かりやすくご紹介します。あなたの不安を解消する答えがここにあります!
パート主婦の厚生年金とは?基本を知ろう
まずは、厚生年金とは何かを簡単に理解しましょう。
年金制度って複雑で分かりにくいですが、ポイントだけ押さえれば大丈夫です。
厚生年金とは?国民年金との違い

日本の年金制度は2階建てになっています。
日本の年金制度(2階建て)
2階部分:厚生年金
会社員・パート・公務員などが加入する年金。国民年金に上乗せされる。
1階部分:国民年金
20歳以上の全員が加入する基礎年金。
つまり、厚生年金に加入すると、国民年金+厚生年金の両方に入ることになります。
将来、国民年金だけの人より多くの年金がもらえるんです。

えっ、2階建て?国民年金だけじゃないの?

そうにゃ!厚生年金は国民年金の上に乗っかる年金だから、もらえる金額が増えるにゃ!
パート主婦が厚生年金に入るとどうなる?

パート主婦が厚生年金に加入すると、以下のようなことが起こります。
保険料が引かれるのは痛いですが、その分将来の保障が充実するんです。
厚生年金と国民年金、どれくらい違う?

実際に、将来もらえる年金額はどれくらい違うのでしょうか?
年金の種類 | 月額(目安) |
---|---|
国民年金のみ | 約6万5,000円 |
国民年金+厚生年金 | 約10万円~15万円 |
差額 | 約3万5,000円~8万5,000円 |
厚生年金に加入すると、月に約3万5,000円~8万5,000円も多く年金がもらえるんです。
年間にすると約42万円~102万円の差になります。
これはとても大きな差ですよね。
パート主婦の厚生年金加入条件とは?
「じゃあ、どんなパート主婦が厚生年金に入るの?」
加入条件を詳しく見ていきましょう。
パート厚生年金の加入条件(2025年版)

パート主婦が厚生年金に加入する条件は、大きく分けて2つのパターンがあります。
パターン①:正社員の4分の3以上働く場合
週の労働時間と日数が、正社員の4分の3以上なら、従業員数に関係なく加入義務があります。
例:正社員が週40時間なら、週30時間以上で加入
パターン②:短時間労働者の加入条件(106万円の壁)
以下のすべてを満たす場合に加入義務が発生します。
・週の所定労働時間が20時間以上
・月収が8万8,000円以上(年収約106万円以上)
・雇用期間が2か月以上見込まれる
・従業員数51人以上の会社で働いている
この条件を満たすと、パート主婦でも厚生年金に加入しなければなりません。

うわぁ、私も当てはまるかも…週20時間以上働いてるし…

落ち着いて!まずは勤務先の従業員数を確認するにゃ。50人以下なら対象外だにゃ!
106万円の壁とは?

「106万円の壁」とは、年収106万円を超えると厚生年金に加入するラインのことです。
月収で言うと約8万8,000円。
この金額を超えて、かつ週20時間以上働くと、厚生年金に加入する義務が発生します。
扶養内で働くには年収いくらまで?

厚生年金に入りたくない場合、扶養の範囲内で働く必要があります。
年収の壁 | 内容 |
---|---|
103万円の壁 | 所得税がかかり始める |
106万円の壁 | 厚生年金加入義務が発生(条件あり) |
130万円の壁 | 配偶者の扶養から外れる |
150万円の壁 | 配偶者特別控除が減り始める |
厚生年金に入らないためには、年収106万円未満、かつ週20時間未満で働くのが確実です。
パート主婦の厚生年金保険料はいくら?
「厚生年金に入ると、給料からいくら引かれるの?」
これが最も気になるポイントですよね。
月収別の厚生年金保険料シミュレーション

月収別に、厚生年金保険料がいくら引かれるか見ていきましょう。
月収 | 厚生年金保険料(本人負担分) |
---|---|
8万8,000円 | 0円(93,000円未満は対象外) |
10万円 | 約9,000円 |
12万円 | 約10,900円 |
15万円 | 約13,650円 |
18万円 | 約16,470円 |
月収10万円なら約9,000円、月収15万円なら約1万3,650円が給料から天引きされます。

えぇっ!?月収10万円で9,000円も引かれるの!?

でも、会社も同じ金額を払ってくれてるから、実際は1万8,000円分の年金に入ってるにゃ!
厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料は、以下の計算式で求められます。
厚生年金保険料の計算式
標準報酬月額 × 18.3%(厚生年金保険料率) ÷ 2(労使折半)
例:月収10万円の場合
98,000円(標準報酬月額) × 18.3% ÷ 2 = 約8,967円
厚生年金保険料率は全国一律で18.3%です。
この料率は当面据え置かれる予定なので、計算しやすいですね。
健康保険料も一緒に引かれる

厚生年金に加入すると、健康保険料も一緒に引かれます。
月収10万円なら、厚生年金約9,000円+健康保険約5,000円=合計約1万4,000円が天引きされるんです。
手取りは約8万6,000円になってしまいますね。
パート主婦が厚生年金に入るメリット
「こんなに引かれるなら、厚生年金に入りたくない!」
そう思う気持ち、よく分かります。でも、メリットも大きいんです。
将来の年金額が大幅に増える

厚生年金加入の最大のメリットは、将来もらえる年金が増えることです。
厚生年金加入の効果(試算)
月収10万円で10年間厚生年金に加入した場合、将来もらえる年金は年間約10万円増えます。65歳から85歳まで20年間受給すると、合計約200万円の年金が上乗せされる計算です。
10年間で払う厚生年金保険料は約108万円ですが、受け取る年金は約200万円。
長生きすればするほど、払った以上に戻ってくるんです。
障害年金・遺族年金も手厚い

厚生年金に加入すると、障害年金や遺族年金も手厚くなります。
国民年金だけでは、これらの保障は薄いんです。
国民年金保険料を払わなくてよくなる

実は、厚生年金に加入すると、国民年金保険料を個別に払う必要がなくなります。
国民年金保険料は月約1万6,980円(2025年度)ですが、厚生年金に入れば自動的に国民年金にも加入したことになるんです。
扶養に入っていない主婦なら、この点もメリットですね。

なるほど!将来のこと考えると、厚生年金に入った方がお得なのね♪

その調子にゃ!長い目で見れば、払った以上に戻ってくる可能性が高いにゃ!
パート主婦が厚生年金に入るデメリット
もちろん、デメリットもあります。
両方を理解した上で、判断することが大切です。
手取りが減る

最大のデメリットは、やはり手取りが減ることです。
月収10万円でも、社会保険料約1万4,000円が引かれると、手取りは約8万6,000円。
毎月1万4,000円も減るのは、家計にとって痛手ですよね。
夫の扶養から外れる

厚生年金に加入すると、夫の扶養から外れます。
特に、夫の会社の家族手当がなくなると、世帯全体で見れば年間10万円~20万円の損失になることも。
この点は、夫婦でよく相談する必要があります。
年収130万円未満だと中途半端になる

年収106万円~130万円の間は、実は中途半端な位置なんです。
社会保険料を払っても、扶養内(年収103万円)より手取りが少なくなることも。

うぅ…じゃあ、厚生年金に入った方がいいの?それとも扶養のままがいいの?

落ち着いて!次の章で、どんな人が厚生年金に入るべきか解説するにゃ!
パート主婦は厚生年金に入るべき?判断のポイント
「結局、厚生年金に入った方がいいの?」
その答えは、あなたの状況次第です。
厚生年金に入るべき人

以下に当てはまる人は、厚生年金に入った方がおすすめです。
厚生年金に入るべき人
・将来の年金を増やしたい人
・長期的に働き続ける予定がある人
・夫の会社に家族手当がない、または少額の人
・年収150万円以上を目指している人
・病気やケガのリスクに備えたい人
厚生年金に入れば、将来の年金が大幅に増えます。
長期的に見れば、社会保険料を払う価値は十分にあるんです。
扶養内で働くべき人

一方、以下に当てはまる人は、扶養内で働く方がおすすめです。
扶養内で働くべき人
・今すぐ手取りを増やしたい人
・夫の会社の家族手当が充実している人
・短期間だけ働く予定の人
・子育てや介護で時間に制約がある人
・夫の扶養控除を維持したい人
扶養内なら、手取りが減らず、夫の扶養控除も受けられます。
短期的には、こちらの方が有利です。
迷ったら年金事務所に相談を

「自分の場合はどうすればいいの?」と迷ったら、年金事務所に相談しましょう。
専門家が、あなたの状況に合わせて具体的なアドバイスをしてくれます。
また、勤務先の社会保険担当者に聞くのも良い方法です。
よくある質問。パート主婦の厚生年金
パート主婦の厚生年金について、よくある質問をまとめました。
Q1. 扶養内で働きながら厚生年金に入ることはできる?

いいえ、厚生年金に加入すると扶養から外れます。
厚生年金の加入条件を満たすと、自動的に夫の扶養から外れ、自分で社会保険料を払うことになります。
Q2. パートを辞めたら厚生年金はどうなる?

パートを辞めると、厚生年金の加入資格も失います。
その後は、夫の扶養に入るか、国民年金に加入することになります。
ただし、厚生年金に加入していた期間は、将来の年金額に反映されるので無駄になりません。
Q3. 50代から厚生年金に入っても意味ある?

はい、十分に意味があります!
50代から厚生年金に加入しても、加入した期間分だけ年金が増えます。
たとえ5年間だけでも、将来もらえる年金は年間約5万円増えます。
長生きすれば、十分に元が取れる計算です。
パート主婦の厚生年金とは?賢く働こう
パート主婦の厚生年金について、しっかり理解できましたか?
厚生年金とは、将来の年金を増やすための制度です。

短期的には手取りが減りますが、長期的には大きなメリットがあります。
大切なのは、目先の手取りだけで判断しないこと。
将来の年金、病気やケガの保障、会社負担分まで含めて考えれば、厚生年金に加入する価値は十分にあります。
ただし、家族手当の有無や今後の働き方によっては、扶養内で働く方が有利なケースも。
夫婦でよく話し合って、あなたに合った働き方を見つけてくださいね。
パート主婦の社会保険や扶養の範囲について、もっと詳しく知りたい方は、しごママの他の記事もぜひご覧ください。
年収の壁、扶養内で働くコツ、社会保険加入のタイミングなど、主婦の再就職に役立つ情報が満載です。あなたの不安や疑問を解決するヒントがきっと見つかるはずです!

厚生年金のこと、よく分かったわ!将来のことも考えて決めるわね♪

その調子にゃ!自分と家族にとって最適な選択をしてほしいにゃ!