「会社から社会保険に入ってくださいって言われたけど、本当に入らないとダメなの?」
「私のパート、社会保険の加入義務があるのかな…」
「扶養内で働きたいのに、強制的に入らされるの?」
扶養内で働くパート主婦にとって、社会保険の加入義務は最大の関心事ですよね。

実は、パートでも5つの条件すべてを満たすと、社会保険への加入義務が発生するんです。
逆に言えば、1つでも条件を満たさなければ、加入義務はありません。
この記事では、パート主婦の社会保険加入義務を徹底解説。
5つの加入条件、加入義務が発生するケース・しないケース、さらには「扶養内で働き続ける方法」まで分かりやすくご紹介します。あなたの疑問と不安を、すべて解消します!
パート社会保険の加入義務とは?基本を理解しよう
まずは、パートの社会保険加入義務について、基本を理解しましょう。
難しそうに見えますが、ポイントさえ押さえれば簡単です。
社会保険の加入義務とは「強制加入」のこと

「加入義務」とは、簡単に言うと強制加入のことです。
条件を満たした場合、あなたの意思に関係なく、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しなければなりません。
つまり、条件を満たせば自動的に加入することになるんです。

えっ、強制なの?じゃあ条件を満たさなければ入らなくていいのね?

そうにゃ!5つの条件のうち1つでも満たさなければ、加入義務はないにゃ!
パート社会保険加入義務の対象は2パターン

パートの社会保険加入義務は、大きく分けて2つのパターンがあります。
パターン①:正社員の4分の3以上働く場合
週の労働時間と日数が、正社員の4分の3以上なら、従業員数に関係なく加入義務があります。
例:正社員が週40時間なら、週30時間以上で加入義務
パターン②:短時間労働者の5つの条件
正社員の4分の3未満でも、5つの条件すべてを満たすと加入義務が発生します。
これが「106万円の壁」と呼ばれるものです。
この記事では、特にパターン②について詳しく解説していきます。
2024年10月から適用拡大。何が変わった?

2024年10月から、社会保険の適用が拡大されました。
何が変わったのでしょうか?
項目 | 2024年9月まで | 2024年10月から |
---|---|---|
対象企業 | 従業員101人以上 | 従業員51人以上 |
雇用期間 | 1年以上見込み | 2か月以上見込み |
つまり、より多くのパート主婦が社会保険加入義務の対象になったんです。
従業員数51人以上の会社で働いているなら、要注意ですね。
パート社会保険加入義務の5つの条件を詳しく解説
それでは、パートの社会保険加入義務が発生する5つの条件を、1つずつ詳しく見ていきましょう。
すべての条件を満たすと、加入義務が発生します。
条件①:週の所定労働時間が20時間以上

1つ目の条件は、週の所定労働時間が20時間以上であることです。
週19時間以下なら、この条件を満たさないので加入義務はありません。
例えば、週4日×4.5時間=週18時間なら、対象外です。

なるほど!週20時間未満に抑えれば、加入義務がないのね♪
条件②:月収が8万8,000円以上

2つ目の条件は、月収が8万8,000円以上(年収約106万円以上)であることです。
これが「106万円の壁」と呼ばれる理由です。
月収8万7,999円なら、この条件を満たさないので加入義務はありません。
条件③:雇用期間が2か月以上見込まれる

3つ目の条件は、雇用期間が2か月以上見込まれることです。
2024年10月の改正前は「1年以上」でしたが、現在は「2か月以上」に短縮されています。
条件④:学生でないこと

4つ目の条件は、学生でないことです。
昼間の学生(大学生・専門学生など)は、原則として加入義務がありません。
主婦の方は学生ではないので、この条件は満たすことになります。
条件⑤:従業員数51人以上の企業で働いている

5つ目の条件は、従業員数51人以上の企業で働いていることです。
これは2024年10月からの改正で、従来の「101人以上」から拡大されました。
従業員数50人以下の小規模な会社で働いているなら、他の条件を満たしても加入義務はありません。

えぇっ!?5つも条件があるの!?全部満たさないといけないなんて…

落ち着いて!逆に言えば、1つでも満たさなければ加入義務はないにゃ!
パート社会保険の加入義務があるケース・ないケース
5つの条件を理解したところで、具体的なケースを見ていきましょう。
あなたのケースと照らし合わせてみてください。
加入義務があるケース

以下のようなケースでは、社会保険の加入義務があります。
ケース①:時給1,100円、週20時間、従業員数60人の会社
・週20時間以上 ✓
・月収8万8,000円以上 ✓
・雇用期間2か月以上 ✓
・学生でない ✓
・従業員数51人以上 ✓
→ 加入義務あり
ケース②:時給1,250円、週22時間、従業員数100人の会社
・週20時間以上 ✓
・月収11万円(8万8,000円以上)✓
・雇用期間2か月以上 ✓
・学生でない ✓
・従業員数51人以上 ✓
→ 加入義務あり
加入義務がないケース

一方、以下のようなケースでは加入義務がありません。
ケース①:時給1,100円、週18時間、従業員数60人の会社
・週20時間以上 ✗(18時間)
・月収7万9,200円(8万8,000円未満)✗
・雇用期間2か月以上 ✓
・学生でない ✓
・従業員数51人以上 ✓
→ 加入義務なし(2つの条件を満たさない)
ケース②:時給1,200円、週25時間、従業員数30人の会社
・週20時間以上 ✓
・月収12万円(8万8,000円以上)✓
・雇用期間2か月以上 ✓
・学生でない ✓
・従業員数51人以上 ✗(30人)
→ 加入義務なし(従業員数の条件を満たさない)
ケース③:時給1,000円、週20時間、1か月の短期バイト
・週20時間以上 ✓
・月収8万円(8万8,000円未満)✗
・雇用期間2か月以上 ✗(1か月)
・学生でない ✓
・従業員数51人以上 ✓
→ 加入義務なし(2つの条件を満たさない)
自分のケースを確認する方法

自分が加入義務があるかどうかを確認するには、以下のチェックリストを使いましょう。
社会保険加入義務チェックリスト
□ 週の所定労働時間が20時間以上
□ 月収が8万8,000円以上(基本給のみ)
□ 雇用期間が2か月以上見込まれる
□ 学生でない
□ 従業員数51人以上の会社で働いている
すべてにチェックが付いた場合 → 加入義務あり
1つでもチェックが付かない場合 → 加入義務なし

なるほど!私の会社は従業員40人だから、加入義務がないのね♪

その調子にゃ!でも、将来的に従業員数が増える可能性もあるから注意するにゃ!
パート社会保険の加入義務を避ける方法
「どうしても扶養内で働き続けたい!」という方のために、加入義務を避ける方法をご紹介します。
方法①:週20時間未満に抑える

最もシンプルな方法は、週の労働時間を20時間未満に抑えることです。
この方法なら、月収や従業員数に関係なく、加入義務を避けられます。
方法②:月収を8万8,000円未満にする

月収を8万8,000円未満に抑える方法もあります。
年収に換算すると約105万6,000円以下です。
この範囲内で働けば、週20時間以上働いても加入義務を避けられます。
方法③:従業員50人以下の会社で働く

従業員数50人以下の小規模な会社で働くのも一つの方法です。
この場合、週20時間以上、月収8万8,000円以上でも、加入義務はありません。

なるほど!工夫次第で扶養内で働き続けられるのね♪

でも、将来のことも考えて、本当に避けるべきかよく考えるにゃ!
パート社会保険加入義務があっても入らない場合はどうなる?
「加入義務があるって言われても、絶対に入りたくない!」
そう思う気持ち、分かります。でも、拒否すると大変なことになるんです。
会社が法律違反になる

加入義務がある従業員を加入させないと、会社が法律違反になります。
会社には、条件を満たす従業員を社会保険に加入させる義務があるんです。
つまり、あなたが「入りたくない」と言っても、会社は加入させざるを得ないんです。
遡って保険料を徴収されることも

もし加入せずに働き続けた場合、後から遡って保険料を徴収されることがあります。
数か月分、場合によっては数年分の保険料を、一度に払わなければならなくなるんです。
これは、家計に大きな打撃を与えますよね。
どうしても入りたくない場合は?

どうしても社会保険に入りたくない場合は、働き方を変えるしかありません。
加入義務を避ける働き方
・労働時間を週20時間未満に減らす
・月収を8万8,000円未満に抑える
・従業員50人以下の会社に転職する
・複数のパートを掛け持ちする(それぞれで条件を満たさないように)
どの方法を選ぶかは、あなたの状況次第です。
よくある質問。パート社会保険の加入義務について
パートの社会保険加入義務について、よくある質問をまとめました。
Q1. 加入義務があると会社から言われたけど、本当?

5つの条件をすべて満たしているなら、本当です。
会社が勝手に言っているわけではなく、法律で定められています。
不安な場合は、年金事務所に確認してみましょう。
Q2. 扶養内で働きたいと伝えたら拒否できる?

いいえ、拒否できません。
加入義務がある場合、「扶養内で働きたい」という理由は認められません。
どうしても扶養内で働きたいなら、労働時間や月収を調整する必要があります。
Q3. 従業員数はどうやって確認する?

会社の人事担当者に聞くのが確実です。
「社会保険の適用拡大の対象企業ですか?」と聞けば教えてくれます。
また、年金事務所に問い合わせることもできます。
パート社会保険の加入義務を正しく理解して賢く働こう
パート主婦の社会保険加入義務について、しっかり理解できましたか?
5つの条件すべてを満たすと、加入義務が発生します。

逆に、1つでも条件を満たさなければ、加入義務はありません。
大切なのは、自分の働き方が加入義務に該当するかを正しく理解すること。
扶養内で働き続けたいなら、条件を満たさないように調整する必要があります。
一方で、社会保険に入れば将来の年金が増えるメリットもあります。
あなたの状況や将来設計に合わせて、最適な働き方を選んでくださいね。
パート主婦の社会保険や扶養の範囲について、もっと詳しく知りたい方は、しごママの他の記事もぜひご覧ください。
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社会保険の加入義務、よく分かったわ!自分の働き方を見直してみるわね♪

その調子にゃ!自分と家族にとって最適な選択をしてほしいにゃ!