「条件を満たしているはずなのに、会社が社会保険に入れてくれない…」
「これって私の勘違い?それとも会社が悪いの?」
「将来の年金や健康保険、本当に大丈夫かな?」
扶養内で働くパート主婦の方や、アルバイト・契約社員として働いている方の中には、こんな不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

実は、会社が社会保険に加入させない理由には明確なパターンがあります。
そして、加入条件を満たしているのに加入させない場合は、立派な法令違反なんです。
この記事では、会社が社会保険に加入させない理由を徹底解説し、あなたが取るべき具体的な対処法をお伝えします。
自分の権利を守り、将来の安心を手に入れるために、ぜひ最後まで読んでみてください。
社会保険に加入させない会社の理由。企業の本音とは?
まずは、会社が社会保険に加入させない理由について見ていきましょう。
企業側にはどんな事情があるのでしょうか?
社会保険料の会社負担を避けたい

会社が社会保険に加入させない最大の理由は、社会保険料の会社負担を避けたいからです。
社会保険料は、健康保険料と厚生年金保険料を合わせて、従業員と会社が半分ずつ負担する仕組みになっています。
たとえば、従業員の給与が月20万円の場合、会社負担分は約3万円。
これが10人いれば月30万円、年間で360万円もの負担になるんです。
経営が厳しい会社や、利益率が低い業種では、この負担を避けるために社会保険加入を渋るケースが少なくありません。
加入義務を知らない・軽視している

驚くことに、会社の経営者や人事担当者が、社会保険加入の義務をきちんと理解していないこともあります。
特に小規模な会社や個人事業主の場合、「パートだから加入しなくていい」「従業員が希望しなければ入れなくていい」といった誤解をしているケースも。
また、「バレなければ大丈夫」と軽視して、意図的に加入を避けている悪質な企業も存在します。

え?会社の人が知らないってこともあるの?

残念ながらあるんだにゃ。でも「知らなかった」は通用しないにゃ!
労働時間や契約形態を調整している

さらに巧妙なのが、加入条件を満たさないように労働時間や契約形態を調整する手法です。
たとえば、週20時間以上働くと社会保険加入義務が発生する場合、わざと週19時間にシフトを調整したり、契約上は「週3日」としながら実際はもっと働かせたり。
こうした調整は、従業員の権利を侵害する違法な行為です。
社会保険加入の条件とは?あなたは対象者?
会社が社会保険に加入させない理由が分かったところで、次はあなた自身が加入条件を満たしているかどうかを確認しましょう。
正社員・フルタイムは原則全員加入

まず、正社員やフルタイムで働いている人は、原則として全員が社会保険の加入対象です。
「試用期間だから」「契約社員だから」といった理由で加入させないのは違法です。
正社員と同じくらいの時間働いているのに社会保険に入れてもらえないなら、それは完全にアウト。
パート・アルバイトの加入条件

パートやアルバイトの場合は、以下の条件を満たすと社会保険の加入対象になります。
パート・アルバイトの社会保険加入条件
【基本条件】
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生でないこと
【事業所の規模による違い】
・従業員51人以上の企業:上記条件で加入義務
・従業員50人以下の企業:正社員の3/4以上働く場合は加入義務
2024年10月からは、従業員51人以上の企業で働くパート・アルバイトにも社会保険加入が義務化されています。
自分の勤務先が何人規模の会社なのか、確認してみましょう。
加入義務のない事業所もある

ただし、すべての会社に社会保険の加入義務があるわけではありません。
以下のような事業所は、社会保険の適用事業所にならない場合があります。
もしあなたの勤務先がこれらに該当する場合、社会保険に加入していなくても違法ではない可能性があります。
ただし、その場合でも国民健康保険と国民年金には加入する必要があるので注意しましょう。

えっ!小さい会社だと入らなくてもいいの?

業種や規模によってはそうなんだにゃ。でも従業員5人以上なら基本的に加入義務があるにゃ!
社会保険未加入のデメリット。将来に大きな影響が…
会社が社会保険に加入させてくれない場合、あなたにはどんなデメリットがあるのでしょうか?
将来の年金額が大幅に減る

社会保険未加入の最大のデメリットは、将来受け取れる年金額が大幅に減ってしまうことです。
厚生年金に加入していれば、国民年金に上乗せして年金がもらえますが、未加入だと国民年金だけになります。
その差は、生涯で数百万円から1000万円以上にもなることも。
「今はいいけど、老後が心配…」という不安は、まさにこの年金額の違いから来ているんです。
健康保険の給付が受けられない

社会保険に加入していないと、健康保険の傷病手当金や出産手当金が受けられません。
国民健康保険にはこれらの給付がないため、病気やケガで働けなくなったときの収入保障がゼロに。
特に、出産を控えている女性にとっては大きな損失です。
出産手当金は、産前産後の休業中に給与の約3分の2が支給される制度ですが、社会保険未加入だと1円ももらえません。
会社への不信感が募る

社会保険に加入させてもらえないという事実は、会社への信頼を大きく損ないます。
「自分は大切にされていない」「使い捨てにされている」と感じてしまうのは当然のこと。
こうした不信感は、仕事へのモチベーション低下や、メンタル面での不調にもつながります。
法律を守らない会社で働き続けることは、精神的にも大きな負担になるんです。

うぅ…将来のこと考えると不安になってきた…

大丈夫にゃ。次は対処法を教えるから、ちゃんと権利を守る方法があるにゃ!
社会保険に加入させない会社への対処法
では、会社が社会保険に加入させてくれない場合、どうすればいいのでしょうか?
具体的な対処法をステップごとに解説します。
まずは会社に直接確認してみる

最初のステップは、会社の人事担当者や上司に直接確認することです。
「私の勤務時間と給与だと、社会保険の加入条件を満たしていると思うのですが…」と、やんわり聞いてみましょう。
もしかすると、単なる手続きの遅れや、事務的なミスの可能性もあります。
会社への確認ポイント
・自分の労働条件(時間・給与)を整理しておく
・感情的にならず、冷静に質問する
・「加入できない理由」を具体的に聞く
・やり取りの記録を残しておく(メールなど)
このとき、会社側が「加入させたくない」という態度を明確に示したり、理由をはぐらかしたりする場合は、次のステップに進みましょう。
年金事務所に相談する

会社が対応してくれない場合は、年金事務所に相談するのが最も効果的です。
年金事務所は社会保険の加入指導を行う権限を持っており、あなたの相談を受けて会社に指導してくれます。
相談は匿名でもできますし、「会社に知られたくない」と伝えれば配慮してもらえることもあります。
年金事務所からの指導があれば、ほとんどの会社は社会保険への加入手続きを進めます。
それでも対応しない場合は、さらに強制力のある措置が取られることもあるんです。
労働基準監督署やハローワークも活用

社会保険の問題だけでなく、労働条件全般に不安がある場合は、労働基準監督署やハローワークにも相談できます。
特に、労働時間の改ざんや、契約内容と実態が違うといった問題がある場合は、労働基準監督署が力になってくれます。
ハローワークでは、雇用保険の加入相談もできるので、社会保険だけでなく雇用保険にも入っていない場合は一緒に相談しましょう。

年金事務所に相談すれば、ちゃんと対応してもらえるのね!

その通りにゃ!公的機関はあなたの味方だから、遠慮せず頼っていいんだにゃ!
こんな会社は要注意。ブラック企業の特徴
社会保険に加入させない会社の中には、明らかにブラック企業と呼べる会社もあります。
以下のような特徴が複数当てはまる場合は、転職を真剣に検討した方がいいかもしれません。
契約書や労働条件通知書がない

入社時に契約書や労働条件通知書をもらっていない場合、それだけで労働基準法違反です。
正式な書面がないと、労働時間や給与、社会保険加入の有無などが曖昧になり、トラブルの元になります。
「口約束だけで働いている」という状況は、非常に危険です。
給与明細がもらえない・内容が不透明

給与明細を発行しない、または内容が不明瞭な会社も要注意です。
社会保険料や雇用保険料が引かれているかどうかは、給与明細を見れば一目瞭然。
明細がない、または「手渡しだから明細はない」と言われる場合、会社が何かを隠している可能性があります。
質問すると怒られる・はぐらかされる

社会保険や労働条件について質問したときに、怒られたり、話をはぐらかされたりする会社は、完全にアウトです。
従業員の正当な質問に答えないのは、後ろめたいことがある証拠。
「余計なこと聞くな」「そんなこと気にするな」といった態度を取られたら、その会社に未来はありません。

うちの会社、全部当てはまるんだけど…!

それは完全にブラックにゃ!すぐに転職を考えるべきだにゃ!
転職を検討すべきタイミング
社会保険に加入させない会社で働き続けることは、将来のリスクを抱え続けることになります。
では、どんなときに転職を考えるべきなのでしょうか?
会社が改善の意思を見せない場合

年金事務所に相談しても、会社が改善の意思を見せない場合は、転職を真剣に考えましょう。
法律を守らない会社で働き続けることは、あなたの権利を守ることにはなりません。
特に、指導を受けても態度を変えない会社は、今後も同じような問題を繰り返す可能性が高いです。
他にも労働環境に問題がある場合

社会保険未加入以外にも、残業代の未払い、パワハラ、劣悪な労働環境などの問題がある場合、その会社に留まる理由はありません。
複数の問題が重なっている場合、それは会社全体のコンプライアンス意識が低い証拠です。
自分の健康と将来を守るために、早めに転職活動を始めることをおすすめします。
社会保険完備の会社を選ぶポイント

転職する際は、社会保険が完備されているかどうかを必ず確認しましょう。
求人票に「社会保険完備」と書かれていても、実際には条件付きの場合もあるので注意が必要です。
転職先を選ぶときのチェックポイント
・求人票に「社会保険完備」と明記されているか
・面接で加入条件を具体的に確認する
・入社時に契約書を必ずもらう
・給与明細で保険料の控除を確認する
・口コミサイトで会社の評判をチェック
主婦の再就職では、「扶養内で働きたい」という希望がある場合もありますが、その場合でも労働条件をしっかり確認することが大切です。

転職するときは、ちゃんと確認しないとダメなのね!

その通りにゃ!次は同じ失敗をしないように、しっかりチェックするんだにゃ!
会社が社会保険に加入させない場合の罰則
ここまで読んで、「会社が法律を守らないなら、罰則はないの?」と思った方もいるかもしれません。
実は、社会保険の加入義務を怠った会社には、しっかりとした罰則があるんです。
6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

社会保険に加入させる義務があるのに加入させない場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
これは健康保険法と厚生年金保険法で定められた罰則です。
ただし、実際に刑事罰が科されるケースは少なく、多くの場合は行政指導で終わることが多いのが現実。
それでも、法律違反であることには変わりありません。
遡って保険料を徴収される

年金事務所の調査で未加入が発覚した場合、最大2年間遡って社会保険料を徴収されることがあります。
これは会社にとって大きな経済的負担になります。
従業員10人分を2年間遡って支払うとなると、数百万円単位の支払いになることも。
こうした事実を知ると、会社も真剣に対応せざるを得なくなるんです。
企業イメージの低下と信用失墜

社会保険未加入の事実が公になれば、企業イメージは大きく低下します。
最近では、口コミサイトやSNSで簡単に情報が拡散される時代。
「あの会社は社会保険に入れてくれない」という評判が広まれば、求人にも応募が来なくなり、優秀な人材も集まりません。
結果的に、会社自身が大きな損失を被ることになるんです。
よくある質問。社会保険に関する疑問を解消
最後に、社会保険に関してよくある質問にお答えします。
扶養内で働きたい場合はどうすればいい?

「扶養内で働きたいから、社会保険に入りたくない」という方もいるかもしれません。
その場合は、労働時間や給与を加入条件未満に調整する必要があります。
具体的には、週20時間未満、月額8.8万円未満に抑えることで、社会保険の加入対象から外れます。
ただし、将来の年金額が減ることを考えると、長期的には社会保険に加入した方がメリットは大きいです。
試用期間中は社会保険に入れない?

「試用期間中は社会保険に入れない」と言われることがありますが、これは誤りです。
試用期間中であっても、加入条件を満たしていれば社会保険に加入する義務があります。
試用期間を理由に加入を拒否されたら、それは法律違反ですので、すぐに年金事務所に相談しましょう。
派遣社員やアルバイトでも加入できる?

派遣社員やアルバイトでも、加入条件を満たせば社会保険に加入できます。
雇用形態は関係なく、労働時間と給与が基準を満たしていれば加入対象です。
派遣社員の場合は、派遣元の会社が加入手続きを行うので、派遣会社に確認してみましょう。

えっ!試用期間でも入れるんだ!知らなかった!

試用期間は関係ないにゃ!条件を満たせば、すぐに加入する権利があるんだにゃ!
社会保険に加入させない会社の理由と対処法。まとめ
ここまで、会社が社会保険に加入させない理由と、その対処法について詳しく解説してきました。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

会社が社会保険に加入させない理由は、主に社会保険料の会社負担を避けたいからです。
しかし、加入条件を満たしているのに加入させないのは、立派な法令違反。
あなたには社会保険に加入する権利があり、それを守るための手段もちゃんとあります。
社会保険未加入のまま働き続けることは、将来の年金額に大きく影響します。
「今はいいけど、老後が心配…」と思っているなら、今すぐ行動を起こすべきです。
年金事務所への相談は無料ですし、匿名でもできます。
「会社に知られたら気まずい」と思うかもしれませんが、あなたの将来の安心のためには、勇気を出して一歩踏み出すことが大切なんです。
もし転職を考えているなら、次は必ず社会保険完備の会社を選びましょう。
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社会保険に加入させない会社に泣き寝入りする必要はありません。
あなたには権利があり、それを守るための味方がいます。
自分の将来を守るために、今できることから始めてみましょう。
きっと、明るい未来が待っているはずです!

なんだか勇気が出てきたわ!私も権利を守るために動いてみるわね♪

その調子にゃ!一歩ずつでいいから、自分の未来のために前に進むんだにゃ!