社会保険加入の抜け道は存在する?正しい条件と対処法を解説!

お金・制度

「社会保険に加入すると手取りが減るから嫌だな…」
「扶養から外れたくないんだけど、何か方法ないの?」
「会社が社会保険に入れてくれないんだけど、これって普通?」

社会保険の加入について、こんな悩みを抱えていませんか?

社会保険に悩む主婦

実は、社会保険加入の「抜け道」と呼べるものはほとんど存在しません

法律で定められた条件を満たせば、原則として加入しなければならないんです。

この記事では、社会保険加入の正しい条件と境界線、会社がよく使う回避策とそのリスク、そしてあなたが損をしないための働き方戦略を徹底解説します。

「扶養内で働くか」「社会保険に加入して働くか」の判断材料として、ぜひ最後まで読んでください。

社会保険加入の抜け道は存在しない?法律で定められた条件とは

まず結論からお伝えします。

社会保険加入の「抜け道」は基本的に存在しません

社会保険加入は法律で定められた義務

オフィスで働くパート女性

社会保険とは、健康保険と厚生年金保険のことを指します。

一定の条件を満たす労働者は、本人の意思に関わらず必ず加入しなければなりません。

これは法律で決められた義務なんです。

重要ポイント

「手取りが減るから入りたくない」「扶養から外れたくない」という個人的な理由で、加入を拒否することはできません。条件を満たせば強制加入です。

つまり「抜け道」を探すこと自体が、実は法律違反につながる危険な行為なんですよね。

パート・アルバイトの社会保険加入条件

条件をチェックする女性

2024年10月から、社会保険の加入条件が拡大されました。

以下の条件をすべて満たすパート・アルバイトは、社会保険に加入する義務があります。

条件項目基準
週の労働時間20時間以上
月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
雇用期間2カ月を超える見込み
学生でない昼間学生は対象外
従業員数51人以上の企業(2024年10月から)

この5つの条件をすべて満たすと、必ず社会保険に加入しなければなりません。

「入りたくない」という希望は通らないんです。

ふわママ
ふわママ

え?週20時間って、1日4時間×週5日でもうアウトなの?

しごにゃん
しごにゃん

そうにゃ!意外と低いハードルだから、多くのパート主婦が対象になるんだにゃ

正社員は原則全員が加入対象

正社員として働く女性

正社員や契約社員として働く場合、労働時間や収入に関わらず原則全員が社会保険の加入対象です。

正社員の加入条件

・常時雇用される労働者であること
・週の所定労働時間が正社員の4分の3以上
・2カ月を超える雇用契約
・70歳未満であること

正社員なのに社会保険に加入していない場合、それは会社側の違法行為です。

決して「抜け道」ではありません。

会社が使う社会保険加入の「回避策」とそのリスク

法律上は抜け道がないのに、なぜ「社会保険に入れない」という状況が起きるのでしょうか?

実は会社側が、グレーな方法で加入を回避しているケースがあるんです。

労働時間を週20時間未満に調整する

シフト表を見る女性

最もよくある回避策が、労働時間を週20時間未満に抑える方法です。

例えば、本当は週25時間働けるシフトなのに、わざと週19.5時間に調整されるケースがあります。

このやり方の問題点

・労働者側が十分な収入を得られない
・社会保険に入れず将来の年金が少なくなる
・会社が保険料負担を避けるための悪質な手法
・労働者の権利を侵害している可能性

もしあなたが「もっと働きたいのに、週19時間に抑えられている」なら、それは不当な扱いかもしれません。

雇用契約を細切れにして2カ月未満にする

契約書を見る女性

もう一つの回避策が、雇用契約を2カ月未満に区切る方法です。

「1カ月契約を毎月更新」という形にして、形式上は「2カ月未満」の雇用とする手法ですね。

これは完全にアウト!

実態として継続雇用が見込まれる場合、契約期間に関わらず社会保険に加入する義務があります。形だけ1カ月契約にしても、更新を繰り返していれば違法です。

年金事務所の調査で発覚すれば、過去2年分の保険料を遡って徴収されることもあります。

ふわママ
ふわママ

え!?うちの会社、まさにそれやってるかも…

しごにゃん
しごにゃん

それは違法にゃ!年金事務所に相談すべきにゃ!

業務委託契約に切り替える

フリーランスとして働く女性

さらに悪質なのが、雇用契約から業務委託契約に切り替える手法です。

業務委託契約(フリーランス扱い)になると、社会保険の加入義務がなくなります。

でも、実態は従業員と同じように働いているのに、契約形態だけ変えるのは偽装請負として違法です。

偽装請負のチェックポイント

・勤務時間や場所を会社に指示されている
・他の従業員と同じ業務をしている
・業務の進め方を自分で決められない
・専属で一つの会社にしか働いていない
・道具や機材を会社から支給されている

これらに当てはまるなら、実態は「雇用」です。

業務委託契約だからといって、社会保険に入らなくていいわけではありません。

社会保険に加入するメリットとデメリット。手取りの変化は?

「社会保険に入ると手取りが減るから嫌だ」と思う気持ち、よく分かります。

でも実際にどれくらい減って、どんなメリットがあるのか知っていますか?

月収10万円の場合の手取りシミュレーション

給料明細を見る女性

実際に月収10万円の場合で計算してみましょう。

項目社会保険なし社会保険あり
総支給額10万円10万円
健康保険料0円約5,000円
厚生年金保険料0円約9,000円
雇用保険料約300円約300円
手取り額約99,700円約85,700円
差額約14,000円減

確かに、月に約14,000円も手取りが減ります

年間で約17万円の負担増ですから、抵抗を感じるのも無理はありません。

社会保険加入の本当のメリット

将来を考える女性

でも、ちょっと待ってください。

社会保険には、手取り減を補って余りあるメリットがあるんです。

社会保険加入の5大メリット

1. 老後の年金額が大幅に増える(月6.5万円→月14.5万円程度)
2. 会社が保険料の半分を負担してくれる
3. 傷病手当金がもらえる(病気で働けない時の給料補償)
4. 出産手当金がもらえる(産休中の収入保障)
5. 障害年金・遺族年金の給付が手厚くなる

特に注目すべきは、会社が半分負担してくれる点です。

自己負担は月14,000円ですが、会社も同額を負担しています。

つまり実質的には月28,000円分の保険料を払っているのと同じなんです。

国民年金と国民健康保険に自分で入ると、全額自己負担で同じような金額がかかります。

ふわママ
ふわママ

会社が半分払ってくれるなら、お得なのね!

しごにゃん
しごにゃん

そうにゃ!目先の手取りより、将来の保障のほうがずっと価値があるにゃ!

扶養から外れるとどうなる?130万円の壁

家計簿をつける主婦

社会保険に加入すると、配偶者の扶養から外れます。

これが「106万円の壁」と呼ばれる問題ですね。

年収社会保険配偶者の扶養
105万円加入不要扶養内
106万円加入必須(条件あり)扶養から外れる
130万円必ず加入必ず扶養から外れる

扶養から外れると、配偶者の税金が少し増えます。

でも、自分自身の年金が将来大幅に増えることを考えると、長期的にはプラスになるケースがほとんどです。

損をしない働き方戦略。扶養内か社会保険加入か

では、実際にどう働くのが一番お得なのでしょうか?

2つの働き方戦略を比較してみましょう。

戦略①:扶養内で働く(年収105万円以下)

パートで働く主婦

扶養内で働くメリットは、手取りが減らないことです。

扶養内で働くメリット

・社会保険料の負担がない
・配偶者の扶養に入れる
・税金の配偶者控除が受けられる
・働く時間を短くできる

扶養内で働くデメリット

・収入が少ない(年収105万円まで)
・老後の年金が国民年金のみで少ない
・傷病手当金や出産手当金がない
・キャリアアップしにくい

扶養内で働くなら、週19時間以内、月8.7万円以内に抑える必要があります。

戦略②:社会保険に加入してしっかり働く(年収130万円以上)

フルタイムで働く女性

社会保険に加入して働くメリットは、将来の保障が手厚くなることです。

社会保険加入で働くメリット

・老後の年金額が大幅に増える
・傷病手当金・出産手当金がもらえる
・会社が保険料の半分を負担してくれる
・収入制限がなく、稼げるだけ稼げる
・キャリアアップのチャンスが広がる

社会保険加入で働くデメリット

・手取りが減る(月1~2万円程度)
・配偶者の扶養から外れる
・働く時間が長くなる

目先の手取りは減りますが、将来的な安心を買うと考えれば、決して損ではありません。

ふわママ
ふわママ

どっちがいいか悩むわ…

しごにゃん
しごにゃん

家庭の状況次第だにゃ。でも20~30代なら、社会保険に入って将来に備えるほうがおすすめにゃ

年齢別おすすめの働き方

ライフプランを考える女性

どちらの働き方がいいかは、年齢やライフステージによって変わります。

年齢層おすすめの働き方理由
20~30代社会保険加入年金を長く払える。将来の受給額が大幅に増える
40代社会保険加入老後資金の準備期間。手厚い保障が必要
50代状況次第あと10年程度なので、家計と相談
60代扶養内年金受給が近いので扶養内で手取り重視

若いうちは将来のために社会保険に入る、60代に近づいたら扶養内で手取り重視、というのが基本戦略です。

会社に社会保険加入を拒否されたときの対処法

もし会社が社会保険への加入を拒否したら、どうすればいいのでしょうか?

まずは会社に直接確認する

上司に相談する女性

まずは穏やかに会社に確認してみましょう。

会社への確認の仕方

1. 「社会保険の加入について教えてください」と穏やかに聞く
2. 加入条件を満たしているか一緒に確認する
3. 加入できない理由を具体的に聞く
4. やりとりはメールで記録を残す

単純な手続き漏れの可能性もあるので、まずは冷静に確認することが大切です。

年金事務所に相談する

相談窓口のイメージ

会社が対応してくれない場合は、年金事務所に相談しましょう。

年金事務所でできること

・あなたが加入対象かどうか確認してくれる
・会社への加入指導をしてくれる
・匿名での相談も可能
・相談は無料

年金事務所は、社会保険の加入を監督する公的機関です。

会社が違法に加入を拒否している場合、指導や是正勧告をしてくれます。

労働基準監督署や弁護士に相談

法律相談のイメージ

年金事務所の指導でも改善されない場合は、労働基準監督署弁護士への相談も検討しましょう。

相談先対応内容費用
年金事務所社会保険の加入指導無料
労働基準監督署労働問題全般の相談・指導無料
弁護士法的措置・交渉代理有料(初回無料も)

悪質な会社の場合、弁護士を通じて未払い保険料の請求や損害賠償を求めることも可能です。

主婦の働き方相談なら「しごママ」で情報収集

社会保険のことや働き方について、一人で悩んでいませんか?

情報を調べる主婦

しごママでは、主婦の働き方に特化した情報を幅広く発信しています。

扶養内で働く方法、社会保険の詳しい解説、おすすめの職種、履歴書の書き方、面接対策まで、あなたの働き方をサポートする記事が満載です。「どう働くのがベストか分からない」という方は、ぜひ他の記事もチェックしてみてください。

ふわママ
ふわママ

もっと色々知りたいわ!しごママ、チェックしてみよう♪

しごにゃん
しごにゃん

その調子にゃ!正しい知識があれば、絶対に損しない働き方ができるにゃ!

社会保険加入の抜け道はない。正しい知識で賢く働こう:まとめ

社会保険加入の「抜け道」は、基本的に存在しません。

法律で定められた条件を満たせば、必ず加入する義務があります。

前向きに歩き出す女性

この記事のポイント

社会保険加入の抜け道は基本的に存在しない
・週20時間以上、月8.8万円以上で加入対象(51人以上の企業)
・会社が労働時間調整や契約細切れで回避するのは違法または悪質
・手取りは減るが、将来の年金額や保障が大幅に増えるメリット
・加入を拒否されたら年金事務所や労働基準監督署に相談
・年齢やライフステージで最適な働き方を選ぶ

「手取りが減るから嫌だ」という気持ちは分かります。

でも、社会保険は将来の自分への投資です。

老後に受け取る年金額の差は、2,000万円以上になることもあります。

目先の手取りを優先して、将来大きく損をするのはもったいないですよね。

今日からできるアクション

1. 自分が社会保険の加入対象かどうか確認する
2. 給料明細で保険料が引かれているかチェック
3. 対象なのに未加入なら、会社に穏やかに確認
4. 対応してくれない場合は、年金事務所に相談
5. 自分の年齢と家計状況で最適な働き方を選ぶ

違法な「抜け道」を探すのではなく、正しい知識を持って賢く働くことが大切です。

社会保険に入ることは決して損ではありません。

むしろ、将来の安心を手に入れるための最良の選択なんです。

あなたの未来を守るために、今できることから始めてみましょう。

ふわママ
ふわママ

よし!正しい知識で賢く働くわ。将来の自分のために♪

しごにゃん
しごにゃん

その意気にゃ!正しい知識があれば怖くないにゃ!一緒に頑張るにゃ!

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