共働きで扶養に入らない選択。メリットとデメリットを解説

お金・制度

「共働きだけど、扶養に入らない方がいいのかな?」
「扶養を外れたら、どのくらい手取りが変わるの?」
「将来の年金のことを考えると、どっちがお得?」

共働き夫婦にとって、扶養に入るか入らないかは大きな悩みですよね。

共働きの扶養に悩む夫婦

実は、扶養に入らない選択にはメリットもデメリットも両方あります

どちらを選ぶべきかは、家庭の状況や将来のライフプランによって異なるんです。

この記事では、共働きで扶養に入らない選択のメリット・デメリット、扶養に入らない方がいい人・入る方がいい人の判断基準を徹底解説!

あなたの家庭に合った最適な選択を見つけるヒントをお届けします。

共働きで扶養に入らないとはどういうことか

まず、「扶養に入らない」とは具体的にどういう状態なのか整理しましょう。

理解を深めることで、自分にとってベストな選択が見えてきます。

扶養に入らない共働き夫婦が増えている

共働き夫婦が増えている

近年、共働きで扶養に入らない夫婦が増えています

女性の社会進出が進み、正社員として働く妻が増えたことが大きな要因です。

特に、キャリアを重視する30代・40代の女性は、扶養の年収制限を気にせずフルタイムで働くケースが多くなっています。

扶養に入らない共働き夫婦の特徴

・妻が正社員やフルタイムで働いている
・年収が130万円を大きく超えている
・将来のキャリアアップを目指している
・老後の年金を充実させたい
・夫婦で収入が同程度

ふわママ
ふわママ

え?共働きでも扶養に入らない人が増えてるの?みんなどうして?

しごにゃん
しごにゃん

正社員で働く女性が増えたからにゃ。年収の壁を気にせず働けるし、将来の年金も増えるメリットがあるにゃ!

税制上の扶養と社会保険の扶養の違い

2種類の扶養

「扶養に入らない」と言っても、実は2種類の扶養があります。

扶養の種類管轄基準年収影響
税制上の扶養税務署123万円以下配偶者控除・配偶者特別控除
社会保険の扶養健康保険組合・年金事務所130万円未満健康保険料・年金保険料

税制上の扶養から外れると、配偶者控除が受けられなくなり、配偶者の所得税・住民税が増えます。

社会保険の扶養から外れると、自分で健康保険料・厚生年金保険料を払う必要があります。

年収が200万円、300万円と増えていけば、どちらの扶養からも外れることになります。

扶養に入らない選択をする理由

扶養に入らない理由

では、なぜ共働き夫婦は扶養に入らない選択をするのでしょうか。

主な理由は以下の3つです。

扶養に入らない選択をする主な理由

①キャリアアップを優先
正社員として働き、昇進や昇給を目指したい

②将来の年金を増やしたい
老後資金を充実させるため、厚生年金に加入したい

③世帯収入を最大化したい
扶養の年収制限を気にせず、稼げるだけ稼ぎたい

特に、子どもの教育費や住宅ローンを抱える世帯では、世帯収入を増やすことが最優先になります。

扶養の年収制限を気にしていては、十分な収入が得られないこともあるでしょう。

共働きで扶養に入らないメリット

それでは、共働きで扶養に入らないメリットを具体的に見ていきましょう。

長期的に見ると、大きなメリットがたくさんあります!

将来の年金額が大幅に増える

将来の年金が増える

扶養に入らない最大のメリットは、将来受け取れる年金額が大幅に増えることです。

扶養に入っている場合は国民年金(老齢基礎年金)のみですが、扶養を外れて厚生年金に加入すると、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金が上乗せされます。

働き方加入する年金年金受給額(65歳から)
扶養内(専業主婦・パート)国民年金のみ約81万円/年
扶養外(正社員・年収300万円)国民年金+厚生年金約130万円/年
扶養外(正社員・年収400万円)国民年金+厚生年金約150万円/年

年収300万円で30年間働いた場合、扶養内の人と比べて老後の年金が年間約50万円も多くもらえます。

85歳まで生きると仮定すると、約1,000万円も差が出る計算です!

厚生年金に加入するメリット

・老齢厚生年金が上乗せされる
・障害厚生年金の対象になる
・遺族厚生年金の対象になる
・老後の生活が安定する
・働いた分だけ年金が増える

年収の壁を気にせず自由に働ける

自由に働ける

扶養に入らなければ、年収の壁を気にせず自由に働けるのも大きなメリットです。

扶養内で働いていると、「今月はもう123万円を超えそうだから、シフトを減らさなきゃ」と調整する必要があります。

しかし扶養を外れれば、そんな心配は不要です。

年収の壁を気にしなくていいメリット

✓ 繁忙期に残業しても問題ない
✓ 昇給や時給アップを素直に喜べる
✓ ボーナスをもらっても大丈夫
✓ 正社員登用のチャンスを逃さない
✓ キャリアアップを目指せる

特に、正社員として働く場合は、昇進や昇給のチャンスを最大限活かせます。

年収の壁に縛られず、自分のペースでキャリアを築けるのは大きな魅力ですね。

傷病手当金など充実した保障が受けられる

充実した保障

扶養を外れて社会保険に加入すると、充実した保障が受けられます。

特に重要なのが傷病手当金出産手当金です。

社会保険加入で受けられる保障

傷病手当金:
病気やケガで働けなくなった時、給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される

出産手当金:
産休中、給与の約3分の2が支給される(扶養内のパートはもらえない)

障害厚生年金・遺族厚生年金:
万が一の時の保障が手厚くなる

特に、病気で長期休職する場合、傷病手当金があると経済的に大きく助かります。

扶養内のパートだとこうした保障はないので、万が一のリスクに備えられるのは大きなメリットです。

ふわママ
ふわママ

わぁ!扶養に入らないと、こんなにメリットがあるのね♪

しごにゃん
しごにゃん

そうにゃ!長期的に見れば、扶養に入らないメリットはとても大きいにゃ!

共働きで扶養に入らないデメリット

一方で、扶養に入らないことにはデメリットもあります。

メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解しておきましょう。

社会保険料の負担で手取りが減る

手取りが減る

扶養を外れる最大のデメリットは、社会保険料の負担で手取りが減ることです。

健康保険料と厚生年金保険料を自分で払う必要があるため、年収の約15%が保険料として引かれます。

年収社会保険料負担(年額)手取り(概算)
150万円約22万円約128万円
200万円約30万円約170万円
250万円約37万円約213万円
300万円約45万円約255万円

年収200万円の場合、約30万円も保険料で引かれるので、手取りは170万円程度になります。

「こんなに引かれるの!?」と驚く人も多いでしょう。

手取りの減少に注意

年収150万円程度で扶養を外れると、社会保険料の負担で手取りが130万円以下になることもあります。年収155万円以上にならないと、扶養内の時より手取りが少なくなる可能性があります。

配偶者控除が受けられなくなる

配偶者控除が受けられない

扶養を外れると、配偶者控除や配偶者特別控除が受けられなくなります。

これにより、配偶者(多くの場合は夫)の所得税・住民税が増えることになります。

妻の年収配偶者控除・配偶者特別控除夫の税負担への影響
123万円以下配偶者控除38万円税金軽減
123万円超~201万円配偶者特別控除(段階的に減少)やや増加
201万円超控除なし増加

妻の年収が201万円を超えると、配偶者特別控除も完全になくなります。

夫の年収が600万円の場合、年間約7万円程度税金が増えることになります。

世帯全体の税負担が増える可能性

世帯全体の税負担

扶養を外れると、世帯全体の税・保険料負担が増える可能性があります。

具体的にシミュレーションしてみましょう。

妻の年収妻の手取り夫の税増加世帯への影響
130万円(扶養内)約130万円0円+130万円
150万円(扶養外)約128万円+5万円+123万円
200万円(扶養外)約170万円+7万円+163万円
250万円(扶養外)約213万円+7万円+206万円

年収150万円程度だと、扶養内の130万円の時より世帯の手取りが減ってしまいます。

年収200万円以上稼がないと、扶養内より世帯収入が増えないわけです。

ふわママ
ふわママ

えぇっ!?働いてるのに手取りが減るなんて…そんなのおかしいわ!

しごにゃん
しごにゃん

だから扶養を外れるなら、年収200万円以上を目指すのが大事にゃ!中途半端な年収だと損することもあるにゃ。

共働きで扶養に入らない方がいい人・入る方がいい人

では、結局どちらを選べばいいのでしょうか。

扶養に入らない方がいい人、入る方がいい人、それぞれ見ていきましょう。

扶養に入らない方がいいケース

扶養に入らない方がいい人

扶養に入らない方がいい人は、以下のような方です。

扶養に入らない方がいいケース

正社員として働いている(年収200万円以上)
キャリアアップを目指している(昇進・昇給を狙う)
老後の年金を充実させたい(30代・40代)
万が一の保障を手厚くしたい(病気やケガのリスク)
世帯収入を最大化したい(教育費・住宅ローン)

特に、年収が200万円を超える場合は、扶養に入らない方が世帯の手取りも増えるのでおすすめです。

また、40代以降で老後資金を充実させたい人も、厚生年金に加入するメリットが大きいでしょう。

扶養に入った方がいいケース

扶養に入った方がいい人

一方、扶養に入った方がいい人は以下のような方です。

扶養に入った方がいいケース

子どもが小さく家事優先(週20時間未満のパート)
年収が150万円以下(手取りが減る可能性)
短期間だけ働く予定(数年後に専業主婦に戻る)
夫の収入が高く控除の恩恵が大きい
手取りを最優先したい(保険料負担を避けたい)

子どもが小学生以下で手がかかる時期は、扶養内でゆっくり働く方が家庭と両立しやすいでしょう。

また、年収が130万円〜150万円程度なら、扶養内に抑えた方が世帯の手取りは多くなります。

手取りと将来の保障を天秤にかけて判断する

天秤にかけて判断

最終的には、目先の手取りと将来の保障を天秤にかけて判断しましょう。

判断基準扶養に入る扶養に入らない
手取り(短期)多い保険料負担で減る
将来の年金国民年金のみ厚生年金上乗せ
働き方の自由度年収制限あり自由
万が一の保障薄い手厚い
おすすめの人子どもが小さい、短期間正社員、キャリア重視

家庭の状況、将来のライフプラン、夫婦の働き方の希望を総合的に考えて、後悔のない選択をしてくださいね。

共働きで扶養に入らない選択。まとめ

共働きで扶養に入らない選択には、メリットとデメリットの両方があります。

将来の年金増加や働き方の自由度が魅力ですが、手取りは減ります。

共働きで扶養に入らないまとめ

共働きで扶養に入らないポイント

✓ 将来の年金が年間50万円以上増える
✓ 年収の壁を気にせず自由に働ける
✓ 傷病手当金など保障が手厚くなる
✓ 社会保険料の負担で手取りは減る
✓ 配偶者控除が受けられなくなる
✓ 年収200万円以上なら扶養外が有利
✓ 年収150万円以下なら扶養内が有利

扶養に入るか入らないかは、家庭の状況や将来のライフプランによって最適な選択が異なります。

子どもが小さく家事優先なら扶養内、正社員でキャリアアップを目指すなら扶養外。

目先の手取りを重視するなら扶養内、将来の年金や保障を重視するなら扶養外。

大切なのは、メリット・デメリットを理解した上で、夫婦でしっかり話し合うことです。

10年後、20年後の理想の生活を思い描いて、後悔のない選択をしてくださいね!

ふわママ
ふわママ

よくわかったわ!まずは夫と相談して、うちに合った選択をしてみるわ♪

しごにゃん
しごにゃん

その調子にゃ!夫婦でよく話し合って、自分たちに合った働き方を見つけるにゃ!

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